空から舞い落ちる雪は美しいものですが、それらが大量に積もると様々な被害を引き起こします。特に豪雪地帯では、屋根に積もった雪の重みで家屋が倒壊してしまうことさえあります。
ひとひらの雪はたいへん軽いものですが、塊となるとかなりの重さになるからです。雪の重さはその種類により異なっていて、1立方メートルあたりの雪の重さは次のようになります。
降り積もったばかりの「新雪」は50キログラムから150キログラムになり、大人1人から2人分の体重に相当します。
雪が降り積もってから時間が経過すると、雪は自身の重さで徐々に押しつぶされて密度が高くなります。これが「しまり雪」で、1立方メートルあたり150キログラムから500キログラムの重さになります。
また雪の粒がいったん溶けて粒同士が固まり合った「ざらめ雪」はそれよりも重く、300キログラムから500キログラムにもなるのです。
屋根に大量の雪が積もっているということは、屋根の上に何台もの車が乗っているのと同じと言えるでしょう。これほどの重さを持った雪が屋根に積もるのですから、家が押しつぶされないためにも「雪下ろし」はたいへん重要なことなのです。
お天気豆知識(2025年02月14日(金))


雪の積もった所を歩くときは足下ばかりに目がいってしまいますが、軒下では頭上にも注意が必要です。
屋根に積もった雪や軒から垂れ下がるつららが落ちてきて、けがをすることがあるからです。
このような事故は、気温が上がる午前11時から午後2時ごろにかけて発生しやすく、特に氷点下3度から3度くらいの気温の時に多くなる傾向があります。
屋根に積もっていた雪は、日ざしを受けて一度とけたあとに再び固まり、氷になっていることもあります。
鋭くとがったつららはもちろん、これらの雪や氷が頭の上に落ちてきた場合、たいへん危険です。
また、2階の屋根から滑り落ちてくる雪や氷は意外に遠くまで落下するため、軒から離れた所を歩いていても、油断は禁物です。