2月に入っても太平洋沿岸の地域では、大雨や大雪への注意が欠かせません。特に日本の南岸を発達しながら通過する低気圧には用心しなければなりません。
この低気圧は「南岸低気圧」とよばれ、全国的に激しい風雨をもたらすことがあります。そして東北地方では、この低気圧が三陸沿岸を北上すると、太平洋側に大雪や大雨が降って重大な被害を受けることがあるのです。
この南岸低気圧が進んでくる場合、東北地方の太平洋側で雨や雪が降るかどうかは、低気圧のコースによって概ね予想することができます。
関東の沿岸から低気圧がそのまま東へ進む場合には、東北地方に雨や雪が降ることはあまりありません。そのときの高気圧との組み合わせによっては大雨や大雪になることもあり得ますが、他のコースと比べると災害を引き起こす可能性は低いほうだといえます。
南岸低気圧が東北地方の太平洋側に雨や雪を降らせやすいのは、低気圧が陸に近いコースをとったときです。陸地に近いほど雨や雪は降りやすくなるため、関東沿岸から北へ進み、三陸沿岸のごく近い位置を通過するコースがもっとも注意しなければならないものなのです。
お天気豆知識(2025年02月11日(火))


東北地方の太平洋側においては、南岸低気圧が三陸沿岸にせまるほど雨や雪は降りやすくなります。
特に、その雨や雪が、警報が発表されるほどの大雨や大雪になるかどうかには、高気圧との位置関係が大きく影響します。
大雨や大雪に対して最も注意が必要になるのは、高気圧が東北地方の北、つまり北海道付近にある場合です。
北に高気圧があると、東北地方には海上を通ってやって来る湿った北東の風が吹き付けます。
そのため急速に発達している低気圧が引き連れる雨雲や雪雲は、東北地方でまとまりやすく、長時間にわたって雨や雪が降り続くのです。
南岸低気圧が東北地方に向かって北上するとき、北に高気圧があったら大雨や大雪に十分な注意をしましょう。