花粉症の方は、春が近づいてくると憂うつになっている人も多いことでしょう。
日本の花粉症の大部分はスギ花粉です。このあと、花粉の舞いやすい時期になりますが、次のような天気になると花粉の量が多くなります。
晴れて気温が高い日は、スギから花粉が飛びやすいため多くなります。また、空気が乾燥して風の強い日はスギ花粉が遠くに飛びやすく広い範囲で花粉が降り落ちます。
さらに、雨上がりの翌日や気温の高い日が2、3日続いたあとなどは、スギに花粉を大量に飛ばす性質があるため多くなります。
なお、春に飛散するスギ花粉の量は、前年の夏の気象条件に大きな影響を受けます。前年の夏が猛暑(高温・小雨)だと翌年の花粉は多くなり、冷夏(低温・多雨)であれば花粉は少なくなるという関係があります。
また、スギの花粉飛散量は一年おきに多い、少ないを繰り返す傾向があり、花粉量は、気象条件とスギの生育の状態などによって決まるのです。
お天気豆知識(2025年02月08日(土))


花粉症といえば、日本では春先に起こるスギ花粉症が有名ですが、国が違えば全く状況が違ってきます。
ヨーロッパではイネ科の牧草が主な原因植物です。世界で最初の花粉症もイギリスで発見されたイネ科の植物が原因でした。この花粉症は牧草を扱う人に現れたことから「枯草熱(こそうねつ)」とも呼んでいるそうです。
また、アメリカではブタクサが花粉症の主な原因植物で、1割程度の人がかかっていると言われています。このブタクサは日本でも初秋の花粉症の原因となっています。
そのほかにも、ヨーロッパではカバノキの花粉症やオリーブの花粉症などもあります。
このように世界各地で花粉症に悩まされている人はいるのですね。ただ、スギがたくさんあるのは日本と韓国、中国の一部なので、スギ花粉症の人がその他の国に行っても症状が起こることはありません。