紫外線の量は季節によって大きく変わることは知られていますが、標高によっても変わってくることをご存じでしょうか。
紫外線の量は、標高が高くなるほど多くなるのです。宇宙からやってくる紫外線は、地球の大気の層を通過する際、オゾン層や窒素、水蒸気などによって吸収されたり散乱したりします。
ところが標高が高くなると空気の密度が少なくなる、つまり空気が薄くなるため、紫外線を吸収する力が弱くなるのです。
また、山の上は空気が澄んでいることも原因です。紫外線を吸収するちりやほこりなどが少ないことで、紫外線の弱まり方が鈍くなるのです。
この結果、高い山では麓にいるより多くの紫外線を浴びることになります。冬は、夏に比べると紫外線に対して油断しがちですが、山へ出かける際は、意識する必要がありそうです。
お天気豆知識(2025年01月07日(火))
紫外線は標高が高いほど増えていきますが、その増え方はどのくらいなのでしょうか。それは、標高100メートルあたり約1パーセント増加すると言われています。(気象庁HPより)
これを基に計算すると、紫外線の量は、標高1000メートルでは標高0メートルに比べておよそ1割増し、同じく2000メートルではおよそ2割増し、さらに3000メートルでは3割増しとなります。
富士山や北アルプスなど3000メートルクラスの山では、平地の1.3倍以上の紫外線が降り注いでいることになります。
冬の雪山などでは積もった雪による反射によって紫外線はさらに多くなるので、日ざしの弱い時期だからといって油断は出来ません。
スキーやスノーボードなどで雪山に出かける人も多くなりますが、太陽から降り注ぐ紫外線と雪から反射する紫外線に注意することが大事です。
天気が良い日の登山やスキーは気持ちの良いものですが、季節を問わず、紫外線への対策は忘れないようにしたいものですね。