日本は温泉大国と言われていますが、温かい温泉に入ると日頃の疲れも一気に吹き飛んでしまいますね。国内には2万7000以上もの源泉があり、多くの温泉地が存在しています。(環境省温泉利用状況、令和3年度より)
「温泉」とは、温泉法という法律により「地中から湧き出す温水、鉱水、および水蒸気、その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、「特定の成分を含むもの」と定義されています。
また、定められた成分を含んでいなくても水温が指定の温度に達していれば温泉とみなされ、日本では25度以上と定義されています。
一般に、通常の地下水の温度はその土地の年平均気温よりも1度から4度ほど高くなっているといわれ、場所によってその地下水の温度も差があります。そのため、温泉の温度も国によって違っています。
南アフリカ共和国は日本と同じ25度以上、アメリカは21.1度(華氏70度)以上と少し低くなっています。
また、イギリスやイタリア、それにフランスでは20度以上のものが温泉です。温泉好きの日本人でも、こういったことを知っている人は意外に少ないのではないでしょうか。
お天気豆知識(2025年01月05日(日))
温泉といえば、休養や娯楽、それに病気やけがの治療などの目的で利用されますが、日本とヨーロッパではその利用の目的に大きな違いがあります。
日本で温泉といえば、主に入浴することが目的ですが、ヨーロッパでは温泉のお湯を飲む「飲泉」として定着しています。
日本の温泉は、43度以上の高温泉が多いのが特徴で、古くからけがや病気の治療を目的とする「湯治(とうじ)」として利用されてきました。そのため、日常的な入浴として現在でも多く利用されています。
一方、ヨーロッパの温泉の温度は全般に低めです。また、温泉に含まれる成分が多いため、温泉のお湯を飲んでその薬理効果を利用するのが一般的なのです。
日本でも温泉を飲む習慣はありますが、入浴で汗を流すのが温泉の醍醐味と感じるのは、日本人ならではの文化なのですね。