雑煮は、そもそも神仏に供えた飲み物や食べ物を下げて食べる行事(直会、なおらい)からきています。
神仏に供えた縁起の良いものを、大晦日の夕方に様々な具を加えて煮たのが雑煮の始まりなのです。そしてお正月にはなくてはならない、三が日のめでたい食事となりました。
稲作を中心とした水田地帯の地域では、雑煮の具は餅が中心で、一方、畑作地域では芋やそば、ムギなどが具の中心でした。
今では餅の入った雑煮が主流となりましたが、その一方で芋栽培の文化も受け継がれて、里芋も雑煮の材料として不可欠となっている地域もあります。
雑煮は、現在も家庭による味付けの違いはもちろんですが、地域によって味付けや材料に大きな違いがあります。みなさんの故郷の雑煮はいったいどういったものなのでしょうか。
お天気豆知識(2025年01月01日(水))
各地方には様々な郷土料理などが残っていますが、地域の特色を現在でも引き継いでいる料理はやはり雑煮ではないでしょうか。そこで、雑煮に使われる餅と、雑煮の味付けの違いをみてみました。
まず、餅の形や調理法は、丸餅をゆでる地域と、角餅を焼く地域に分けられます。餅は「円満」を象徴するため、祝いの席では丸餅を使いますが、角餅を使う場合でも、焼いてふくらませれば丸くなるため、焼き餅として雑煮にいれるようになったようです。
丸餅をゆでて使うのは近畿、中国、四国、九州で多く、角餅を焼いて使うのは東北、関東甲信、中部で多く見られます。また、変わったものとしては、四国では餡餅を焼いて使います。
なお、北海道は開拓入植者の出身地によって、雑煮の系統が大きく違うため他の地域よりもパターンが混在しているようです。
汁についても、大きく2つに分けることができます。みそ仕立ての雑煮を食べる地域は近畿や四国で、そのほかの所は、だいたいすまし仕立ての雑煮が多いようです。
なお、沖縄の伝統的な料理には雑煮はないようですが、豚の腸のすまし汁「中身汁(なかみじる)」が、雑煮に当たるものといえそうです。