雪道には、安全に走行するための色々な工夫が施されています。
例えば、山道での雪崩による事故を防ぐための雪崩予防さくがあります。これは、雪崩を食い止めるのではなく、雪崩を発生しにくくするものです。
また、山道でも特に降雪量が多く、視界不良を起こしやすい場所にはトンネルのような形の「スノーシェルター」が取り付けられています。これは道路に屋根を設けることで、道の除雪が不要となり、雪によって視界を妨げられる心配をなくすものです。
道路を覆う施設には、ほかにも「スノーシェッド」とよばれるものもあり、こちらは特に頑丈なつくりのため、雪崩が発生しても道を走る車を守ることができます。
そして、道路を下から温めて雪が降っても路面を乾いた状態に維持するためのロードヒーティングもあり、これは下り坂でスリップした際にどこまでも滑り降りてしまう危険をなくす効果があります。
また、道路標識にも工夫がされています。道路標識を雪がおおうと車のスムーズな流れを妨げるため看板は5度から10度ほど下向きに取り付けられ、着雪しても雪自体の重みで下に落ちるような仕組みになっています。
雪国の道路は、これらのような様々な工夫によって安全が確保されているのです。
お天気豆知識(2024年12月17日(火))
雪国の道路では、大雪のたびに除雪機を使った除雪作業が必要になります。では、どのくらいの雪が降ると機械による道路の除雪を行うのでしょうか。
雪国では、道路の交通量や重要度を基準に除雪の目標を決めています。
実際に使われている除雪の目安は地域によって異なりますが、ある地域では、1日の交通量が1000台以上あり、都市の中を走る道や都市を結ぶ道路では、積雪が5センチメートル以上になるか、そうなると予想される場合に除雪作業を開始します。
また、交通量が1日に1000台を超えても、郊外を通る道や交通量が1日1000台未満の道では、10センチメートル以上の積雪を目安とする基準もあります。
歩道においては、積雪20センチメートルが除雪のひとつの基準とされています。
雪とのつきあい方を知り、雪への対策がしっかりしている雪国では、数センチメートルの雪が降ったくらいで慌てるようなことはないのです。