寒い冬の夜、お燗(かん)につけた日本酒を飲むことは酒好きにとってたまらないものです。
日本酒は温める温度によっていくつかの段階があるのをご存知ですか。40度くらいを「人肌」、40度から45度を「ぬる燗」、45度から50度を「上燗」、50度以上を「熱燗」といいます。
これらの温度の違いにより、味わいも微妙にちがってきます。日本酒の中でも、味わいがまろやかで熟成した香りを少し持つお酒がお燗で頂くのに適しています。
生酒や吟醸酒のような香り高い日本酒などは50度を超す「熱燗」まで温めてしまうと舌を刺激するようなピリピリとした味に変わってしまい、香りもつんつんとしてしまいます。
そのため、香り高い日本酒の場合は、せっかくの香味が損なわないように、「人肌」から「ぬる燗」にするか、冷してその風味を楽しむのがおいしくいただくコツといえます。
お天気豆知識(2024年12月16日(月))
日本酒をお燗につける方法は「湯せん」を使うのが一般的ですが、「電子レンジ」でも手早く温めることができます。それぞれにあった正しいお燗の方法をご紹介しましょう。
まず「湯せん」の場合は、鍋に湯を沸かしたあと火を消して、その中にとっくりを肩までつけます。しばらく待ってから、とっくりの底で温まり加減をみます。とっくりの底に軽く手を触れられるくらいの熱さが50度くらいの上燗です。
それを目安にして、「人肌」、「ぬる燗」、または「熱燗」という具合に好みの温度を見つけるとよいでしょう。
また、「電子レンジ」を使うときは、お酒をとっくりの肩口まで入れます。入れすぎると熱くてつかめなかったり、こぼれてしまう可能性があるので、注意しましょう。
一合とっくりの場合、50秒くらいの設定が「上燗」の目安になりますが、とっくりの大きさや形、気温、またレンジの性能などの条件によってちがいがでるので、はじめは少なめの秒数にしておいて確認するといいでしょう。