寒い日に活躍する衣服といえば、ウールのコートやセーターがありますね。ウールとは、動物の毛から作られる天然繊維のことで、メリノウール、カシミヤ、モヘヤ、アンゴラなどがその代表です。
一般的にはヒツジの毛から採れるものを指すことが多いようです。メリノウールはメリノ種のヒツジからとれる羊毛で、特にオーストラリア産のものが有名です。
ほかの種類と比べて繊維が細く、ソフトな肌触りであることから最高級の羊毛とされ、衣類に最も適しています。
カシミヤは、カシミヤヤギの産毛を原料としたもので、柔軟で深みのある色彩が特徴です。また、モヘヤはアンゴラヤギの毛からつくられる白く美しい光沢を持つ繊維で、アンゴラはアンゴラウサギからつくられる高級な繊維です。
これらはどれも温かく、冬の時期には手放せません。いろいろな種類のウールを着こなして快適なファッションを楽しんでみてはいかがでしょう。
お天気豆知識(2024年12月15日(日))
動物の毛を使ったウールは、彼らが生きて行くための特性が活かされた繊維です。ウールは、外気の湿度に応じて湿気を吸収・放出するため「呼吸する繊維」とも言われていて、このような繊維はほかに類を見ません。
例えば、ウールの衣類は汗をかいてもサラッとしていて、汗冷えしないことに気づいた方も多いのではないでしょうか。これはウールの繊維が汗を素早く吸収して外に逃がしているためです。
また、小雨程度の水滴ならば吸収せずにはじいてしまうことも特長のひとつです。さらに、静電気が起こりにくいことも私たちにとってはうれしいことです。
乾燥しやすい冬はただでさえ静電気が発生しやすいのですが、ナイロンなどの化学繊維と比べると、それほど不快に感じることはありません。
このように、ウールは冬の素材としてのすぐれた利点をいくつももっているのです。