冬になると窓ガラスの内側に水滴がつくことがあります。窓ガラスについた水滴は、部屋の中の水蒸気がガラスの表面で冷やされて水になったものです。この現象は「結露(けつろ)」と呼ばれ、冬に多く現れます。
結露が発生するのは、窓ガラスの内側ばかりとは限りません。空気のよどむ部屋のすみや奥まった所、温度の下がる所で起こりやすく、タンスなどの家具の裏側や押し入れ、壁や天井などがそれにあたります。
例えば、家具を壁にぴったりつけていると、熱の流れや空気の流れがなくなるため、結露が発生しやすくなります。また、洗濯物を部屋の中で干すと、空気中の水蒸気が増加し結露が起きやすくなります。
同様に、石油ストーブやガスストーブは、熱と一緒に結露のもととなる水蒸気を出します。こうした暖房機器を使えば使うほど、空気中の水分が増え、結果的に結露の原因になります。さらに、暖房している部屋としていない部屋があるだけでも、その温度差によって結露が起きやすくなります。
結露は物の表面だけでなく、部屋の壁の内側、床などでも発生し、水滴が頻繁にできる状況になると、カビが増殖しやすくなります。その結果、カーテンを汚すばかりか住宅に大きな被害を及ぼすことがあります。
また水滴が凍る場合は、さらに深刻な被害が懸念されます。凍りついた露が冬の間に大きな氷のかたまりに成長し、春先になるとこの氷が一気にとけるため住宅を水びたしにしたり、家屋のきしみを引き起こすのです。
お天気豆知識(2024年12月03日(火))
結露を防ぐには、窓を二重サッシや樹脂サッシにするなど家の断熱効果を高めることで、一定の効果があります。しかし、屋外からの空気の浸入を完全に防ぐことはできず、また室内でも炊事や人の呼吸など生活する上で水蒸気は発生するため、室内の水蒸気の量を簡単にコントロールすることはできません。そのため、出来るだけ結露が起きないように工夫する必要があるのです。
ポイント1は、室内に空気の流れをつくることです。結露は空気がよどんだ所で起こるので、室内の風通しを良くすることで結露の発生を防ぐことが出来ます。乾燥した部屋の外の空気を意識的に取り込み、室内に空気の流れをつくって空気がよどまないようにしましょう。
ポイント2は、暖房には水蒸気が発生しない電気カーペットや床暖房などを利用するのも有効です。夜は暖房をとめると気温が下がって結露が発生しやすくなるので、寝る前に数分間窓を開けて乾いた空気を取り込んでおくと効果的です。
ポイント3は、家具を壁から離すことです。室内の家具を壁からすこし離した方が家具の裏側の結露を防げます。また脚つきの家具の方が、より熱や空気の流れがよくなります。
このほか市販の吸湿材を上手に利用する手もあります。寒い日が続くこれからの季節、温度が低くなりやすい北向きの部屋や、コンクリートから水分が出やすい完成したてのコンクリート住宅は、とくに結露が発生しやすいので十分注意しましょう。