寒さが次第に増して、風邪をひきやすい季節になってきました。風邪とは、様々な原因によって起きるのどや鼻の粘膜などの炎症を言い、その原因の80パーセントから90パーセントはウイルスだとされています。
風邪のウイルスは低温で乾燥した状態を好み雪の少ない太平洋側の冬は、この条件にぴったりと当てはまります。また、エアコンや電気ストーブによる暖房は室内の空気をさらに乾燥させるため、ウイルスにとって繁殖しやすい環境を作り出します。そして、低温は人間の体にも影響を与えます。
人の体には、ウイルスやちりなどの異物を呼吸によって体内に取り込まないようにする防護機能が備わっています。そのひとつが気道に生えている線毛(せんもう)と呼ばれる細い毛です。
気道に入り込んだウイルスなどは、線毛によってとらえられ、粘液とともに排出されるのですが、この機能は、低温によって低下してしまいます。そのため、冬は体に入ったウイルスを排出することが困難になり、風邪をひきやすくなるのです。
冬はウイルス自体が活発になるのと同時に、人間の生活や生理機能の点から見ても、風邪を引きやすい季節だと言えるのです。
お天気豆知識(2024年11月09日(土))
冬場、空気が乾燥すると、体の鼻や喉の粘膜を痛めやすくなります。また、風邪のウイルス自身も湿度が低いほど生存しやすく、このため空気の乾燥した状態では風邪を引きやすくなります。
逆に湿度が50パーセント以上の状態ではウイルスは死滅する傾向にあるため、風邪の予防には室内の湿度を高めにするのが有効です。
冬の適正湿度はおよそ40パーセントから60パーセントといわれていますが、冬は暖房器具を使うために室内の湿度は低くなりやすいものです。そのため、暖房器具と加湿器を併用することがおすすめです。
最近の加湿器の中には蒸気の吹き出し口にアロマオイルをたらして加湿と同時にアロマテラピー(芳香療頬ができるものもあります。そのときは抗菌作用のあるラベンダーオイルを使うと風邪の予防に効果的です。ラベンダーには、深い睡眠を得られる効果もあるため、免疫力の増強にも役立ちます。