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お天気豆知識(2025年11月08日(土))

放射冷却とは
放射冷却とは

暦の上では冬を迎え、朝晩を中心に冷え込みが強まってきました。これからの季節、冷え込んだ朝や夜を表現するとき、「放射冷却によって気温が下がり」などという説明をよく耳にします。一体、この放射冷却とは何なのでしょうか。
地球は日々太陽の光を受けています。冷え切った宇宙の中で地球が暖かいのは、太陽光線を吸収することで熱を得ているからです。
一方で、地球は赤外線と呼ばれる目に見えない光として熱を宇宙空間へと放出しています。太陽光線を受け続けても地球が熱くなりすぎないのは、降り注ぐ太陽光線と地球全体から放出される赤外線とのバランスが保たれているからです。
昼間は地球から出ていく熱よりも太陽から受ける光のほうが強いため、地表は温められます。逆に、夜は太陽光線はなくなるのに対し、地球からは赤外線として熱が放出され続けるために、地表は冷えていきます。
このように、地表面から熱が放出されて冷えることを放射冷却と言います。放射冷却は冷え込んだ朝に限らず起きていて、それが顕著にあらわれたかどうかが気温の低下に影響しているのです。

放射冷却と天気
放射冷却と天気

放射冷却は、太陽から受ける熱が地球から出る熱を下回れば起きますが、なぜ冷え込む時とそうではない時があるのでしょうか。
その原因のひとつは雲の存在です。放射冷却は、晴れて雲がない時に顕著に起こります。雲がある場合は、地表面からの赤外線をいったん雲が吸収し、その一部を再び地表面に向かって放出します。
つまり地球から出ていくはずの熱を跳ね返す形になり、その結果、気温の低下が妨げられるのです。雲が布団の役目を果たしていると言えるでしょう。
一方、晴れていると地表の熱は雲に邪魔されることなく上空へどんどんと逃げていきます。このため晴れた日は冷え込みやすいのです。
また、冷え込む条件はほかにもいくつかあり、空気が乾いていること、風が弱いことなどが挙げられます。空気が湿っている、つまり水蒸気が多いと、水蒸気が雲と同じような役目となり、冷え込みを弱めます。
そして風が強いと、地面付近の冷えた空気が上にある暖かい空気と混ざり合うために、これも気温の低下を妨げます。
これからの季節、放射冷却の起きやすい条件がそろった夜は、特に強い冷え込みに注意しなければなりません。

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各地の天気

お天気豆知識

霜と霜柱

霜と霜柱

2025年の冬(2024年~2025年)まで、全国の気象官署では、初霜を観測していました。初霜とは文字どおり、そのシーズン初めてとなる霜のことです。霜は草や木の葉などの表面にできる氷の結晶のことで、地表面を霜が覆うこともあります。一方、霜と似たものに霜柱があります。霜柱は土の表面付近にできる太さ2、3ミリ、長さ数ミリから数センチの氷の柱のことで、霜とは作られるメカニズムが異なります。これから次第に寒さが厳しくなってくれば、太平洋側の晴天が多く、雪が少ない地方では霜や霜柱がしばしば見られることでしょう。雪国では地面が雪に覆われる時期になると霜や霜柱を見ることができなくなりますが、北海道などの特に寒い地方では、地中に霜柱ができる凍上(とうじょう)と呼ばれる現象が見られることもあります。

晴天乱気流

晴天乱気流

飛行機の揺れの原因となるような空気中の小さな渦による不規則な流れのことを「乱気流」と呼びます。日常のフライトにおいて、乱気流はパイロットが最も注意しなければならない現象のひとつです。乱気流は、上下で風の強さや向き、空気の性質が大きく異なるときに発生しやすく、積乱雲などの雲の中で発生する乱気流については、雲の状態を目視や気象レーダーで観察すれば予測を立てることもできます。ただし、乱気流は雲の全くない晴れた空にも発生するため、気をつけなければいけません。これは「晴天乱気流」といい、レーダーにも映らないため予測が非常に難しくなります。雲のない晴れた空の中で突然激しい乱気流に巻き込まれ、シートベルトを外していた乗客やサービス中の客室乗務員が天井まで放り上げられてけがをするといった事故が過去に何度も起こっています。晴天乱気流によって飛行機がガタガタと揺れることもあるので、晴天時でも決して油断はできないのです。

音速

音速

秋が深まり気温も下がってくると、夏、元気に鳴いていた虫たちの声も次第に聞こえなくなります。特に夜などはひっそりとした静けさを感じることでしょう。皆さんは、気温の変化が音の伝わる速さにも影響する、ということを知っていますか。空気中では、気温が高いほど音は速く伝わります。また、気圧も音速に影響を与えますが、無視できるほど小さなものです。一方、地上のようには電波の伝わらない海中においては、音は空気中よりも速く伝わり、重要な通信手段となっています。水中では、水温が高いほど音速は速くなり、水圧が高くても速く伝わるようになります。つまり、海面付近の日射を受けて暖かいところと、大きな水圧のかかっている深海が、海の中では音速の速い領域となっているのです。音はそれが伝わっていく物質が密なほど速くなる、といった性質があります。そのため、一般には軽い空気よりも重たい水の中のほうが音を速く伝えるのです。空気中での音速は、通常、秒速340メートルですが、水中での音速は、秒速1500メートル。空気中の4倍以上というすさまじい速さで伝わっていくのです。