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お天気豆知識(2024年11月08日(金))

初冬の天気変化・1
初冬の天気変化・1

近頃は日に日に寒さが増してきて、冬を意識させるような冷たい風が吹く日も多くなってきました。
秋の天気変化は、移動性高気圧と低気圧が交互に日本付近にやってくるのが特徴です。
そして、初冬になるとシベリア大陸から厳しい寒さを持った高気圧が張り出し、北海道の東海上やアリューシャン方面には低気圧があって、しばしば西高東低の冬型の気圧配置が現れます。
天気図には縦じまの模様の等圧線が見られ、日本付近は冬の季節風である北西の風が吹くようになります。
しかし、まだ冬の始まりのころは、冬型の気圧配置も長続きはせず、西にあった移動性高気圧がやがて日本列島を覆い全国的に小春日和となります。

初冬の天気変化・2
初冬の天気変化・2

初冬の気圧配置は、一時的な西高東低の冬型と日本を移動性高気圧が覆うことの繰り返しですが、実際の天気はどのように変化していくのでしょうか。
一時的に冬型が現れて日本列島に北西の冷たい季節風が強く吹きつけるようになると、暖流の流れる日本海によって暖められた空気がひとかたまりの雲をつくり、日本海側に雨をもたらします。
この雨雲のかたまりが断続的にやってくることで、日本海側の地域では時雨になります。一方、太平洋側では、日本海側に雨を降らせた雲が流れ込むことはなく、青空が広がり、冷たい木枯らしが吹きます。
その後、大陸にあった高気圧が日本を広く覆うようになると、木枯らしは止んで全国的に穏やかな小春日和となります。
ちなみに小春日和とは、11月から12月初めごろの暖かな日和のことです。初冬の天気のリズムを把握して、行楽などの計画を立てる際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

過去のお天気豆知識

クレーン作業と強風2024年11月11日(月)
放射冷却とは2024年11月10日(日)
冬に風邪をひきやすい理由2024年11月09日(土)
初冬の天気変化・12024年11月08日(金)
入浴の効果2024年11月07日(木)
立冬2024年11月06日(水)

各地の天気

お天気豆知識

クレーン作業と強風

クレーン作業と強風

建設現場ではさまざまな重機が活躍しています。その中でも、私たち人間の力では動かせないような重い物を運んだり、持ち上げたりするのに使われるのが大型のクレーンです。大変頼もしいクレーンですが、実は弱点もあります。クレーンは強風に弱く、平均風速が10メートル以上になった場合には安全を考慮して、作業を中断しなければいけないのです。クレーン自体は、平均風速が10メートルに達しても構造上問題はないのですが、その吊り荷の面積によっては操作に影響を及ぼすことがあるからです。風が物体に当たると風による圧力(風圧)が生じます。風圧は風速の2乗に比例して大きくなるため、風速が2倍になると風圧は4倍にもなってしまいます。そのため、面積の大きい荷物の場合、受ける風圧が大きくなり、クレーンの操作に大きな影響を与え、事故につながる危険性もあります。作業を安全に行うために、現場では風に対しても細心の注意が払われているのです。

放射冷却とは

放射冷却とは

暦の上では冬を迎え、朝晩を中心に冷え込みが強まってきました。これからの季節、冷え込んだ朝や夜を表現するとき、「放射冷却によって気温が下がり」などという説明をよく耳にします。一体、この放射冷却とは何なのでしょうか。地球は日々太陽の光を受けています。冷え切った宇宙の中で地球が暖かいのは、太陽光線を吸収することで熱を得ているからです。一方で、地球は赤外線と呼ばれる目に見えない光として熱を宇宙空間へと放出しています。太陽光線を受け続けても地球が熱くなりすぎないのは、降り注ぐ太陽光線と地球全体から放出される赤外線とのバランスが保たれているからです。昼間は地球から出ていく熱よりも太陽から受ける光のほうが強いため、地表は温められます。逆に、夜は太陽光線はなくなるのに対し、地球からは赤外線として熱が放出され続けるために、地表は冷えていきます。このように、地表面から熱が放出されて冷えることを放射冷却と言います。放射冷却は冷え込んだ朝に限らず起きていて、それが顕著にあらわれたかどうかが気温の低下に影響しているのです。

冬に風邪をひきやすい理由

冬に風邪をひきやすい理由

寒さが次第に増して、風邪をひきやすい季節になってきました。風邪とは、様々な原因によって起きるのどや鼻の粘膜などの炎症を言い、その原因の80パーセントから90パーセントはウイルスだとされています。風邪のウイルスは低温で乾燥した状態を好み雪の少ない太平洋側の冬は、この条件にぴったりと当てはまります。また、エアコンや電気ストーブによる暖房は室内の空気をさらに乾燥させるため、ウイルスにとって繁殖しやすい環境を作り出します。そして、低温は人間の体にも影響を与えます。人の体には、ウイルスやちりなどの異物を呼吸によって体内に取り込まないようにする防護機能が備わっています。そのひとつが気道に生えている線毛(せんもう)と呼ばれる細い毛です。気道に入り込んだウイルスなどは、線毛によってとらえられ、粘液とともに排出されるのですが、この機能は、低温によって低下してしまいます。そのため、冬は体に入ったウイルスを排出することが困難になり、風邪をひきやすくなるのです。冬はウイルス自体が活発になるのと同時に、人間の生活や生理機能の点から見ても、風邪を引きやすい季節だと言えるのです。