沸騰するのは何度
ふつう、水の沸騰する温度(沸点)は100度ですが、山の上での水の沸点は地上とは違ってきます。沸点とは、水面から空気中へ出ようとする水の圧力(蒸気圧)と、空気の圧力(気圧)が釣り合っている状態の温度のことです。水温が高くなるほど水の圧力は高くなりますが、空気の圧力は山の上など標高の高い所へ行くほど低くなります。そのため高い山の上では、地上よりも低い温度で水が沸騰するのです。具体的には、地上付近で気圧が1013ヘクトパスカルの時、水の沸点は100度ですが、これが標高1000メートル(約900ヘクトパスカル)では97度、標高3000メートル(約700ヘクトパスカル)では90度くらいに下がります。ちなみに、標高3776メートルの富士山での水の沸点は約88度になります。この沸点の違いによって、山ではご飯も地上と同じようには炊けません。山の上は、地上とは大分違った環境であると言えるでしょう。