雪形・1
4月に入り、日増しに日差しも強まってきました。冬の間に雪の降り積もった山々でも、次第に雪解けが進んでいます。この雪解けの速さには、その場所の地形が大きく関係して、雪のとけ具合によって、山肌には毎年同じような模様が浮かび上がる所があります。このような雪によって作られた絵を「雪形(ゆきがた)」といいます。雪形は、古くから農作業の目安として使われ、種をまくお爺さんの姿や農家を手伝う牛や馬など、農業に関する雪形がたくさん伝えられてきました。長野県や新潟県などは地形が複雑で雪も多い地域です。これらの地域では、その年々によって気温や雪の量は大きく違ってくるため、一般的な農事暦を使うよりも、気温の変化とともに現れる雪形を田植えの準備などの目安としたほうが有効だったのです。