音速
秋が深まり気温も下がってくると、夏、元気に鳴いていた虫たちの声も次第に聞こえなくなります。特に夜などはひっそりとした静けさを感じることでしょう。皆さんは、気温の変化が音の伝わる速さにも影響する、ということを知っていますか。空気中では、気温が高いほど音は速く伝わります。また、気圧も音速に影響を与えますが、無視できるほど小さなものです。一方、地上のようには電波の伝わらない海中においては、音は空気中よりも速く伝わり、重要な通信手段となっています。水中では、水温が高いほど音速は速くなり、水圧が高くても速く伝わるようになります。つまり、海面付近の日射を受けて暖かいところと、大きな水圧のかかっている深海が、海の中では音速の速い領域となっているのです。音はそれが伝わっていく物質が密なほど速くなる、といった性質があります。そのため、一般には軽い空気よりも重たい水の中のほうが音を速く伝えるのです。空気中での音速は、通常、秒速340メートルですが、水中での音速は、秒速1500メートル。空気中の4倍以上というすさまじい速さで伝わっていくのです。