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お天気豆知識(2024年10月03日(木))

移動性高気圧と天気
移動性高気圧と天気

秋は、日本列島の上空を移動性の高気圧がよく通過する季節です。冬はシベリア高気圧、夏は太平洋高気圧が日本列島の天気を支配しますが、春と秋はこの移動性高気圧が天気図の主役といってもいいでしょう。
大陸生まれの移動性高気圧は比較的乾燥しています。空気中に水分をあまり含んでいないため、移動性高気圧に覆われるとすっきりと晴れるのです。
ただ、移動性高気圧のすぐ後ろには低気圧がひかえています。その影響で、高気圧の中心が通り過ぎるころには澄んだ青空には薄雲が広がってきます。
低気圧が近づくにつれて雲は厚みを増し、天気は下り坂となります。
移動性高気圧に覆われていても、すっきり晴れるのは高気圧の東側半分くらいなのです。天気予報の天気図を見て、自分のいる場所が移動性高気圧の東側、西側に位置を確認しながら空を眺めてみるのも面白いかもしれませんね。

移動性高気圧と気温
移動性高気圧と気温

移動性高気圧は、その東側と西側で天気の傾向がちがってきますが、それだけではなく気温の傾向も違います。
高気圧から吹き出す風の向きは時計の針が進む方向と同じですが、この風の向きが気温に影響しているのです。
高気圧の東側では北よりの風が吹いているのでやや冷たく気温も低めです。このため、秋晴れの澄んだ日はなんとなく空気がひんやりと感じることが多いのです。
一方、西側は南よりの風が吹いているので、南の暖かい空気が流れ込み気温が上がるのです。
また、秋なのに暖かさを感じた日のあとは、天気が崩れやすくなります。これは、高気圧の東と西で風の流れが違うことが関係しているのです。

過去のお天気豆知識

お屠蘇(おとそ)2025年12月29日(月)
オーロラのしくみ・12025年12月28日(日)
餅(もち)つき・12025年12月27日(土)
雪崩の種類2025年12月26日(金)
地吹雪(じふぶき)2025年12月25日(木)
ダイヤモンドダスト・12025年12月24日(水)

各地の天気

お天気豆知識

お屠蘇(おとそ)

お屠蘇(おとそ)

お屠蘇とは漢方薬の一種である「屠蘇散(とそさん)」を酒やみりんに浸したもので、屠蘇散はサンショウ、ボウフウ、ビャクジュツ、キキョウなど数種の薬草が調合されています。また、酒やみりんにはブドウ糖、必須アミノ酸、ビタミン類が含まれ、アルコールには血行を促進させる働きがあります。お屠蘇には胃腸の働きを盛んにし、風邪を予防するための効果があるので、寒さが厳しく、お酒の量も多くなる年始の時期にお屠蘇を頂くことはまさに先人の知恵と言えるでしょう。正月にお屠蘇を飲む風習は、平安時代に中国から日本に伝わり、嵯峨(さが)天皇の時代に宮中の正月行事として始められたあと江戸時代に一般市民へと広まりました。お屠蘇の「屠」は「邪気を払う」、「蘇」は「魂を目覚め蘇らせる」という意味があるといわれています。年のはじめにお屠蘇を飲むという風習には、無病息災を祈り、心身ともに改まろうという願いが込められているのです。

オーロラのしくみ・1

オーロラのしくみ・1

地球上には私たちが決して作り出すことのできない美しい自然現象が存在します。北極や南極に近い高緯度地方で見られるオーロラもその一つと言えるでしょう。この夜空を乱舞する光のカーテン、オーロラの正体はいったい何でしょうか。これを理解するには、地球が作る「磁場」について知る必要があります。地球は巨大な磁石であり、地球の周りには磁石の働く「磁場」という領域が存在しています。磁場は地球を取り囲むように広がっています。太陽風と呼ばれる太陽から吹く電気を帯びた粒子の流れによって大きく変形し、太陽とは逆方向の地球の夜側に延びて広がっています。この電気を帯びた粒子が地球に侵入し、大気と衝突することで光を発するのです。しかし地球は磁場によって守られているため、この粒子は、北極や南極の磁場のすき間からわずかに入り込むか、太陽と反対側の地球から十分に離れた磁場の弱い所から突入するしかありません。北極や南極の磁場のすき間から粒子が入って来る場合は、太陽の光が当たるため、オーロラの光を確認することはできません。夜空に輝くオーロラを作り出すのは、太陽を出発した粒子が地球の夜側へ回り込み、地球の磁場に取り込まれて北極や南極付近に流されてくる粒子なのです。

餅(もち)つき・1

餅(もち)つき・1

年末に、家族や親戚で集まって餅つき大会という光景を最近ではあまり見かけなくなりました。しかし、多くの家庭では鏡餅を飾り、お正月にお雑煮を食べるのではないでしょうか。このお餅とは「ハレの日」に食べる食べ物で、餅を食べることによって霊魂の再生を図ろうとしました。また鏡餅は、お供え餅ということもあるように、年神様にお供えし、感謝と幸せをお願いするものです。今では、餅つき機なるものも登場していますが、やはり機会があれば、石や木でできた臼(うす)と木の杵(きね)で餅をつきたいものです。