@nifty天気予報
今日・明日の天気
MY天気

お天気豆知識(2024年09月16日(月))

中秋の名月
中秋の名月

今年(2024年)は、9月17日が中秋の名月です。
日本では、1873年(明治6年)に太陽をもとにした暦(グレゴリオ暦)が作られるまで、月をもとにした暦(太陰暦)が使われていました。昔は月の形を見れば、その日が何日ごろか分かるようになっていたのです。
つまり、新月になる日を、その月の朔日(ついたち)と数え、三日月は、その名の通り3日目を意味します。そして、半月(上弦)になるころが7日目。さらに月が丸みを帯びて満月になるころは、新月から数えて15日目なので、十五夜と呼ばれます。
その中でも、旧暦8月15日の月は「中秋の名月」と呼ばれ、昔から月を観賞する風習がありました。月見は平安時代から始まったとされ、旧暦8月15日の月を「名月」と呼ぶようになったのは、室町時代からと言われています。
この日の月が特別な意味を持つようになったのは、旧暦8月15日が初穂祭の日に当たり、農耕行事のひとつとされていたことにもよります。
芋やだんご、ススキの穂などが供えられるのも、同じく農作物の収穫を祝う風習から来ていると考えられています。

満月の高さ
満月の高さ

中秋の名月は年によって違いますが、新暦の9月上旬から10月上旬ころになります。
この時期は西日本や東日本では、秋雨のころと重なるため、月が雲に隠されることが多くなるものの、秋の満月は、低い位置を通るという点で月見には適しています。
一方、冬は太平洋側では晴れることが多く空気も澄んでいますが、月の位置がたいへん高いところにあり、家の中からは見づらくなります。
秋の満月と冬の満月の高さを比べると、角度にして30度前後も違うのです。このように秋の月が冬の月より低い所にあるのは、一年を通して、満月の動きと太陽の動きが正反対であることが理由です。
太陽の高さが低い冬は、満月は高い空を通過し、夏はその逆になります。太陽が比較的高いところを通る秋も、月は南の低い位置を通るため、秋の月見は体に無理な姿勢を強いることなく、長時間ゆっくりと眺めることができるのです。
普段何気なく見ている月ですが、一度ゆっくりと月見を楽しんでみてはいかがでしょうか。

過去のお天気豆知識

夏の雲から秋の雲へ2025年09月17日(水)
竜巻2025年09月16日(火)
ひょうたん2025年09月15日(月)
煎茶・玉露2025年09月14日(日)
秋霖(しゅうりん)2025年09月13日(土)
秋霖(しゅうりん)2025年09月13日(土)

各地の天気

お天気豆知識

夏の雲から秋の雲へ

夏の雲から秋の雲へ

9月に入って、まだまだ残暑が厳しい日もありますが、辺りの虫や草木、空気などからは秋を感じることができます。また、「天高く馬肥ゆ(てんたかくうまこゆ)」と言うように、高く澄みわたっている空も秋を感じさせます。秋の空が高く感じられるのは、秋の雲の現れる位置が高いことがひとつの理由です。入道雲やわた雲といった夏に多く現れる雲は、強い日差しによって地面付近の空気が暖められて発生する雲です。このような雲は、上下の空気の流れで発生するため、地上から数百メートルくらいの高さでも出現します。一方、秋になると、いわし雲やひつじ雲といった高い所に現れる雲が多くなります。いわし雲はおよそ5000メートルから1万メートル、ひつじ雲でも2000メートルから7000メートルといった高度に出現します。夏と秋の雲の出現する高さの違いは、湿度の違いによるものです。湿度の高い夏は低い所でも雲ができますが、湿度が低くなる秋は、低い所では雲を作るほどの水蒸気がないため、雲は高いところにできることになります。湿度の低い秋の空気は空を高くして、秋をいっそう爽やかに感じさせてくれているのですね。

竜巻

竜巻

あまり馴染みがないように感じますが、竜巻は、日本国内で毎年発生していて、9月は発生が多い時期に当たります。竜巻は激しい気象現象のひとつで、局地的に発生します。竜巻はつむじ風などと違い、上空の雲から垂れ下がるろうと状の雲をともなっていることが特徴で、前線の通過や台風の接近に伴って発生することが多いといわれています。竜巻の大きさはさまざまで、小さいものは直径10メートル程度ですが、多くは100メートルから600メートルの直径を持っています。また、被害状況から風速100メートルを超えていると推定されるものまであり、その風は台風以上に強く、破壊力は気象現象の中で最大級といわれています。過去の調査結果によれば、竜巻の発生は9月が最も多く、8月から10月までの3ヶ月で、1年の半数近くの数が発生するといわれています。これは、竜巻が台風の影響を受けて発生しやすいことをあらわしています。そのため、台風が接近、上陸したときは、竜巻に対しても注意が必要になってくるのです。竜巻が発生する危険性があると、気象庁から竜巻注意情報が発表されます。自分の地域が対象になった場合、積乱雲が近づく兆しがあったら頑丈な建物に移動するなど安全を確保するようにして下さいね。

ひょうたん

ひょうたん

秋風が吹くようになると、多くの植物が実りの時期を迎えますが、そんな植物の一つにひょうたんがあります。ひょうたんはウリ科の一年草で、ユウガオの変種です。そのため、花は夕方に咲き、翌朝にしぼみます。果実は苦みが強いため食用には向きませんが、1週間から2週間ほど水につけて中身を腐らせ、取り除き、乾燥させると、容器として利用することができます。ひょうたんの多くは中央部分がくびれた独特の形をしているため、縦に切れば水くみに便利なひしゃくになり、横に切ればおわんになります。そのため、土器しかなかった縄文時代には、ひょうたんは無くてはならない生活用品だったのです。