寒い季節、体を芯から温めてくれるものといったら、やはり温泉でしょう。
温泉水は、雨水が地中にしみ込んでできる地下水とは成分が大きく異なります。それは、温泉が地球内部を起源としており、地上に現れるまでに様々な物質を溶かし込んでくるためです。
マグマから出る水蒸気やガス、地層によって閉じ込められた海水などが含まれているといわれ、まさに地球からしみ出す「スープ」といえるのです。
そのため、温泉には優れた効能があります。まず、温泉の温かさは血行を良くして新陳代謝を活発にしてくれます。また、温泉に含まれている化学成分の薬理作用も期待できます。さらには温泉による浮力がリラックス効果を生みます。特に温泉は普通の水よりも重たいため、浮力が強く働いて全身の緊張を解いてくれるのです。
温泉地の環境が精神的に良い影響を与えてくれることもあるので、この季節、紅葉や雪を見ながら、ゆったりと温泉につかってみてはいかがでしょうか。
お天気豆知識(2025年11月18日(火))


温泉の薬理作用に優れた成分は、皮膚から吸収するほかに、温泉を飲むことでも摂取できます。ただし、すべての温泉が飲めるわけではありません。温泉を飲む際は、まず飲用許可があることを確認して下さい。
そして、泉質などによって一日に飲んでも良いとされる量や回数などが違います。また、持病があったり、その日の体調によっては飲んではいけない泉質もあります。それぞれの注意事項に従って飲むようにしましょう。
同じ温泉でも、飲むタイミングによって効果に差が出ます。一般に食前30分から1時間に飲むと温泉の効果が現れやすいとされています。ただ、鉄、ヨウ素を含んでいる温泉は、食前を避けて食後に飲むようにしましょう。
温泉は時間が経つにつれて老化していくものでもあります。そのため地上に湧き出したばかりのものが効能に最も優れていて、逆に、決められた飲用時間を過ぎたものは性質が変化しているおそれがあるので、飲まないようにしましょう。

