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お天気豆知識(2024年11月12日(火))

最も遅く上陸した台風
最も遅く上陸した台風

寒さも日に日に増し冬の訪れを感じるようになってきました。
たいてい台風シーズンといえば、8月から9月ですが、これまでで最も遅く上陸したのは1990年11月30日に和歌山県白浜町に上陸した台風28号です。
尾鷲では総雨量409.5ミリもの大雨となり、また、室戸岬では最大風速が31.6メートル、南大東島では最大瞬間風速48.4メートルを記録しました。
この台風は西日本から東北地方にかけての広い範囲に大きな被害をもたらし、死者・行方不明者が4人、山・がけ崩れ83か所、床上・床下浸水が1544棟に達しました。
この時期、台風が上陸する可能性は低いものの、台風はもう来ないと決めつけるのは危険なことです。いざというときに安全を確保できるよう、心構えだけはしておくべきといえます。

台風の発生
台風の発生

一年中暖かい熱帯地方では、海からの水蒸気が豊富にあるため、季節に関わらず執と熱帯低気圧が発生しています。
熱帯低気圧の全てが台風になるわけではなく、中心付近の最大風速が17.2メートル以上になったら、その時点で台風発生です。つまり、台風発生の前にすでに熱帯低気圧として存在しているのです。その後、海上の暖かい水蒸気をエネルギー源として、発達していきます。
夏から秋にかけて日本に近づく台風の場合、低緯度では東風の影響を受けるためはじめは西へ流されますが、次第に太平洋高気圧の縁に沿って、北上するようになります。そして、日本列島の近くにまでくると上空の強い西風の影響を受けるようになって、東へ移動するのです。
ただ、緯度が高くなるにつれて海面水温が低くなるため、水蒸気の補給が少なくなり、台風本来の特徴がなくなってきます。最後には、台風から低気圧にかわってその一生を終えることになります。
このとき、熱帯低気圧に変わる場合と、温帯低気圧に変わる場合があります。台風の中心付近の最大風速が17.2メートル未満になると熱帯低気圧にかわりますが、風が弱まっても、強い雨を降らせる恐れがあります。
また、台風が北からの寒気の影響を受けた場合は、温帯低気圧に変わります。こうなると台風本来の性質が変わり、暖気と寒気の境である前線が出現します。ただ、風が収まったわけではなく、寒気の影響を受けて再発達することもよくあります。
台風が低気圧にかわったどちらの場合でも、十分に遠ざかるまでは防災上は油断できないのです。

過去のお天気豆知識

雪目(ゆきめ)2025年03月07日(金)
消火器・日ごろの備え2025年03月06日(木)
花粉の観測・集める2025年03月05日(水)
啓蟄(けいちつ)2025年03月04日(火)
雪崩の発生しやすい条件2025年03月03日(月)
3月の天候の特徴2025年03月02日(日)

各地の天気

お天気豆知識

雪目(ゆきめ)

雪目(ゆきめ)

3月に入り、春スキーのシーズンとなりました。北日本や東日本の標高の高いゲレンデを中心に、まだまだ多くの所でスキーを楽しむことができます。しかし、日ざしが強まるこれからの時期、雪山では注意しなくてはならない病気があります。これは「雪目(ゆきめ)」とよばれるもので、強い紫外線によって起こる目の炎症です。日中、ゲレンデで目を守るゴーグルなどを身につけずに滑ると、春の強い紫外線によって目がダメージを受け、夜になって激しい痛みやゴロゴロ感、涙がでるなどの症状がでることがあります。これが雪目の症状で、炎症はしばらく続くため、病院にいって処置をしてもらう必要があります。雪目にならないようにするには、日中、紫外線をカットするゴーグルやサングラスを身につけることが最も簡単な方法です。紫外線はサングラスの横からも侵入してくるので、サイドもカバーしたスポーツタイプのものならばさらに安心です。曇りの日でも紫外線は意外と強いので、春の雪山では油断をしないようにしましょう。

消火器・日ごろの備え

消火器・日ごろの備え

火災が発生してしまったときに活躍するのが消火器です。「備えあれば憂いなし」といわれるように万が一の時に備えて、次のことを確認しておきましょう。まずは、保管場所の確認です。マンションや職場、あるいは電車など日常生活の中でどこに消火器があるかを把握しておくようにしましょう。そして、使用期限の確認も大切です。消火器には使用期限があって、火災が発生したときに最大の効果を発揮させるためには決められた使用期限を守る必要があります。使用期限については消火器のラベルにも明記されていますので、しっかりと確認しておいてください。なお、使用期限が記載されていなくても製造年月日から何年という具合に使用できる期間が記載されていますので、定期的に確認するように心がけてください。3月1日から7日までは春の全国火災予防運動が実施されています。各地域で行われている防災訓練に積極的に参加して、消火器の正しい使い方を身につけておきましょう。

花粉の観測・集める

花粉の観測・集める

次第に暖かさを増し、春らしい日も多くなってきましたが、この時期はスギ花粉症の方にとってつらいときでもあります。テレビの天気予報などで伝えられる花粉予測に注目している方も多いことでしょう。医療機関や研究機関などの中には、このような花粉の飛散量の予測に役立てたり、花粉症の予防や対策を行う上での目安にしてもらうために、実際に花粉がどのくらい飛んでいるのかを調べているところもあります。花粉を集めるにはいくつかの種類がありますが、その中の「ダーラム没とよばれるものはスライドガラスを屋外に24時間置いて、その上に自然に落下する花粉を採集するというものです。その際、ガラスの上に落下した花粉が再び飛んでいかないようスライドガラスにはワセリンを塗り、花粉が付着しやすいようにしています。また、集めた花粉が雨水によって流されたり、スライドガラスの上に雪が積もって観測の妨げとならないように、スライドガラスを設置する専用の台には雨よけがつけられています。