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お天気豆知識(2025年11月15日(土))

最も遅く上陸した台風
最も遅く上陸した台風

寒さも日に日に増し冬の訪れを感じるようになってきました。
たいてい台風シーズンといえば、8月から9月ですが、これまでで最も遅く上陸したのは1990年11月30日に和歌山県白浜町に上陸した台風28号です。
尾鷲では総雨量409.5ミリもの大雨となり、また、室戸岬では最大風速が31.6メートル、南大東島では最大瞬間風速48.4メートルを記録しました。
この台風は西日本から東北地方にかけての広い範囲に大きな被害をもたらし、死者・行方不明者が4人、山・崖崩れ83か所、床上・床下浸水が1544棟に達しました。
この時期、台風が上陸する可能性は低いものの、台風はもう来ないと決めつけるのは危険なことです。いざというときに安全を確保できるよう、心構えだけはしておくべきといえます。

台風の発生
台風の発生

一年中暖かい熱帯地方では、海からの水蒸気が豊富にあるため、季節に関わらず執と熱帯低気圧が発生しています。
熱帯低気圧の全てが台風になるわけではなく、中心付近の最大風速が17.2メートル以上になったら、その時点で台風発生です。つまり、台風発生の前にすでに熱帯低気圧として存在しているのです。その後、海上の暖かい水蒸気をエネルギー源として、発達していきます。
夏から秋にかけて日本に近づく台風の場合、低緯度では東風の影響を受けるためはじめは西へ流されますが、次第に太平洋高気圧の縁に沿って、北上するようになります。そして、日本列島の近くにまでくると上空の強い西風の影響を受けるようになって、東へ移動するのです。
ただ、緯度が高くなるにつれて海面水温が低くなるため、水蒸気の補給が少なくなり、台風本来の特徴がなくなってきます。最後には、台風から低気圧に変わってその一生を終えることになります。
このとき、熱帯低気圧に変わる場合と、温帯低気圧に変わる場合があります。台風の中心付近の最大風速が17.2メートル未満になると熱帯低気圧に変わりますが、風が弱まっても、強い雨を降らせる恐れがあります。
また、台風が北からの寒気の影響を受けた場合は、温帯低気圧に変わります。こうなると台風本来の性質が変わり、暖気と寒気の境である前線が出現します。ただ、風が収まったわけではなく、寒気の影響を受けて再発達することもよくあります。
台風が低気圧に変わったどちらの場合でも、十分に遠ざかるまでは防災上は油断できないのです。

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各地の天気

お天気豆知識

波の花

波の花

北陸地方の冬の風物詩の一つに「波の花」があります。「波の花」は、プランクトンや砕けた海藻などの有機物質を含んだ海水が、強い風と荒い波によってかき混ぜられて作られる泡のことです。ときには、洗濯機の中の洗剤のように泡立ち、雪のように日本海の海岸一帯を覆い尽くします。また、山のように盛り上がった「波の花」が風に吹きちぎられて舞い上がる様は、とても幻想的で訪れる観光客を引きつけます。波の花は、冬の日本海の海岸ならいつでもどこでも「咲く」というわけではありません。岩場や入り江、引き潮がよどんでいるような場所でよく見られ、また冬の厳しい気象条件の時に限ります。風速は13メートル以上、波の高さは4メートル以上、気温は4度以下の場合に発生する可能性が高いと言われています。荒れた天候の時に発生するので、見に行く場合は高波や強風、風雪に十分注意しなくてはなりません。

温泉の泉質いろいろ

温泉の泉質いろいろ

寒い季節、体を芯から温めてくれるものといったら温泉ではないでしょうか。温泉は含まれている成分と含有量などによって、大きく10種類の泉質に分類することができます。中でも日本で多く見られる温泉は「単純温泉」や「塩化物泉」「硫黄黄泉」の3種類です。古来から「神経痛の湯」など名湯が多い「単純温泉」は、無色透明で臭いが無く、癖のない温泉です。肌触りが柔らかくて刺激が少ないため、お年寄りや小さなお子さんに向いています。「塩化物泉」は食塩泉とも呼ばれ肌に熱く感じ、塩分が皮膚について汗の蒸発を防ぐので、いつまでも温かく保温効果が高いと言われています。そして、独特の臭いで最も温泉気分に浸れる「硫黄泉」は、刺激が強く解毒作用があり、硫黄の成分がアトピーなどの慢性の皮膚の病気によく効きます。その他にも「美人の湯」として人気の高い「炭酸水素塩泉」があります。「炭酸水素塩泉」は、皮膚の角質を洗い流し、肌を滑らかにする効果があります。また皮膚からの水分の発散がよくなるため、入浴後には清涼感があり気分爽快です。温泉には温泉分析表が掲示されているので、自分の体の症状と照らし合わせて、温泉選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

雪道の備え

雪道の備え

気温が下がり路面が凍結する冬は、車のスリップ事故が増える季節です。雪道を安全に運転するには、タイヤチェーンを装備する場合とスタッドレスタイヤに履き替える場合との2つの選択があります。タイヤチェーンは、金属やゴム製の鎖をタイヤに巻き付けることで凹凸をつけ、雪に食い込ませて滑りを阻止するもので、雪の積もった道路はもちろん、凍結した道路にも対応します。一方のスタッドレスタイヤは、タイヤ自体に深い溝が付けてあり、低温でも硬くなりにくい素材でできています。そのため、チェーンがなくても摩擦力が強く、圧雪状態に特に強い特性があります。初めて車で雪道に行く場合には、タイヤチェーンかスタッドレスタイヤかで迷うところですが、それぞれに一長一短があります。一時的な雪道走行なら着脱が手軽なタイヤチェーンの方が便利ですが、長距離の走行はスタッドレスタイヤの方がふさわしいでしょう。雪道の運転は、一歩間違えると大きな事故になりかねないものです。出かける場所の道の特性などを十分加味した上で、準備するようにしたいものです。