私たちが生活するために必要な道路は、そのほとんどがコンクリートやアスファルトなどによって舗装(ほそう)されています。
舗装とは、人や車が通行するのに便利なように道路の表面を強化したもので、石やレンガを敷き詰めたりしたものも舗装の一つですが、一般的にはコンクリート舗装、アスファルト舗装を指していわれることが多いようです。
アスファルト舗装は形を変形させながら耐える性質があるために、通行量の少ない場所であれば厚さが2、3センチ程度でも十分に実用に耐えうる特徴があります。一方、コンクリート舗装は寿命が長いのが特徴で主として交通量の多い所で使われています。
これらの舗装によって、私たちの生活は大変便利になりましたが、雨の日はいつまでも水たまりが残っていたり、側溝が水であふれかえる原因となりました。
そこで考え出されたのが、水を通す性質をもつ透水性舗装(とうすいせいほそう)です。アスファルトの舗装材の間に隙間を設けて雨水を直接浸透させるもので、最近ではアスファルトだけではなく、コンクリート舗装やタイル舗装のものも開発されています。
お天気豆知識(2025年09月18日(木))


透水性舗装は水たまりのできにくい道路として使われるようになりましたが、そのほかにもいろいろな利点をもっています。
最も大きな効果としては、「ヒートアイランド現象」の抑制です。従来の舗装から透水性のものにかえるだけで、道路の表面温度はおよそ20度も下がります。
さらに、従来の舗装は降った雨はすぐに側溝に流れてしまうため、気化熱を奪う効果がありませんでしたが、透水性舗装では晴れれば水分が蒸発するので、それと同時に熱を逃がしてくれるのです。
非透水性舗装に打ち水をすると、表面温度は5度低くなりますが、透水性舗装の場合は10度から15度も低くなる結果がでています。
そのほかの効果としては、側溝などへの雨水の流入を減らしたり、地中の乾燥を防ぐことができるため、街路樹に水分を与えたり、植物に必要なバクテリアの生育を助けることができます。