日本列島では、8月の終わりから10月の半ばにかけての約1ヶ月半に渡って天気がぐずつく日が多くなる時期があります。
秋の長雨と呼ばれているものですが、別名「秋霖(しゅうりん)」とも呼ばれます。秋霖の「霖(りん)」には、幾日も雨が降り続く意味があります。
秋霖は、季節が夏から秋へと変わる時に現れるもので、その原因は、夏の空気と秋の空気の境にできる秋雨前線によるものです。夏の高気圧は勢力を弱めて南へ下がって行きますが、前線に向かって暖かく湿った空気を運ぶために、ぐずついた天気となるのです。
さらに9月は、台風が日本付近を通りやすい時期でもあり、秋雨前線付近に台風が近づくと、前線の活動が活発になり大雨になることがあります。
「秋霖」というと、風情のある雨のようにも聞こえますが、一方で台風によって刺激されることも多いことから梅雨よりも被害が大きくなることもあるのです。
お天気豆知識(2025年09月13日(土))


秋の雨といえば、しとしとと降る弱い雨もあれば、台風によって降る大雨もあります。
秋の雨の降り方は様々ですが、秋の前半と後半で、雨を降らせる天気図にはそれぞれ特徴があります。
8月下旬から10月ごろは、日本列島に秋雨前線が停滞しやすくなります。このため、秋雨前線による雨が降りやすくなり、ぐずついた天気が続くことがあります。
台風が日本列島に近づいてくると、秋雨前線を刺激して大雨になることもあります。
10月に入るころになると、夏の名残も消えてすっかり秋の空気にかわります。低気圧と高気圧が交互にやってきて、天気は西から東へ移っていきます。この時期に雨を降らすのは、周期的にやってくる低気圧です。
雨は降っても長く続くことはなく、翌日には高気圧に覆われて秋晴れとなります。「一雨一度」といいますが、このころになるとひと雨ごとに気温も下がり、秋が深まっていくのです。