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お天気豆知識(2025年03月22日(土))

管楽器の音の高さ・1
管楽器の音の高さ・1

私たち人間は昔から音を出して情報を伝えたり、楽器などを使って音楽を楽しんだりしてきました。現在も私たちは音とはきってもきれない生活をしていますが、意外にも音の本質については知らないものです。
音は空気の震動によって伝わることは多くの方が知っていると思いますが、では、音の高さはどのようにして変化するのでしょうか。フルートやトランペットなどに代表される管楽器を例にとってみてみましょう。
管楽器の一方の口から息を吹きこむと、反対の口から音が出てきます。「息」という空気の流れが「音」になるとき、唇や楽器の「発音体」とよばれる部分が振動します。すると、管楽器の中の「空気柱(くうきちゅう)」とよばれる管の中の空気も振動します。
空気柱の中では、空気が行ったり来たりを繰り返しており、空気の濃い部分と薄い部分を作り出しています。こうした空気の振動は、一般に振動する空気柱が長いほど低い音を出します。
管楽器には様々な種類があり、音の高さを変える仕組みもそれぞれですが、いずれも空気柱の長さを変化させる原理を利用しているのです。

管楽器の音の高さ・2
管楽器の音の高さ・2

管楽器は、空気が振動する「空気柱」の長さを変化させて音の高さを変えますが、音の高さは気温によっても変わるのです。
気温が高いと空気が膨張するため、音の伝わりかたは速くなります。例えば、気温が10度の場合は音速は秒速338メートルくらいですが、それが30度になると秒速350メートルくらいにまで速くなります。
そして音には、その伝わりかたが速いほど振動が細かくなる、つまり音が高くなるという性質があります。このために、気温が高いと音がいつもより高くなってしまうのです。
同様に気温が低いときには音は低くなります。ちなみに楽器自体も気温によって膨張や収縮をしますが、空気と比べるとそれはわずかなもので、音の高さへの影響はほとんどないといえます。
音は気温の少しの違いにも影響をうけてしまう繊細なものです。そのために、コンサートホールではいつでも温度が一定になるように空調を工夫しているのです。
素晴らしい演奏のうらでは、空気までも楽器として活躍していたのですね。

過去のお天気豆知識

息が白く見えるのは2025年12月01日(月)
風速2025年11月30日(日)
ブラックアイス2025年11月29日(土)
体感温度2025年11月28日(金)
おろしの吹く条件2025年11月27日(木)
足湯(あしゆ)2025年11月26日(水)

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息が白く見えるのは

息が白く見えるのは

冬の朝、家を出ると自分の吐く息が白くなることに気づきます。息が白くなるのは気温が低いときですが、これは口の中の温度と外の気温の差が大きいためにおこります。人の口の中の温度は、体温とだいたい同じくらいで約36度です。口の中の暖かい空気が外に出ると、暖かい空気中に含まれる水蒸気は急に冷やされ水滴にかわります。普段、水蒸気は目に見えませんが、水滴になると白く見えるようになるのです。吐く息が白く見えはじめる温度は、外の気温が約13度以下になってからが目安と言われています。ただし、口の中の湿度はもともと高いので、13度より少し高めの温度でもうっすら白く見えることもあるようです。温度は全然違いますが、他にも白く見えるものに、沸騰したやかんからでる湯気やお風呂の湯気、また、冷え込んだ朝に川や湖の水面から立ちのぼる霧などがあります。これらも、息が白くなるのと同じ現象でおこっているのです。

風速

風速

寒さが日増しに厳しくなっていますが、体が感じる寒さは気温だけでなく、風速によっても大きく左右されます。それだけに風速は日常の生活の中でも重要な気象要素の一つといえるでしょう。風はいつも一定ではなく、強くなったり弱くなったり常に変動しています。そのため、天気予報などで、ある時刻の「風速」を表現する場合は、その前10分間の風速を平均した値が用いられています。その中で、瞬間的に吹いた風の速さは、「瞬間風速」と呼ばれています。また、「風速」の最大値は「最大風速」、「瞬間風速」の最大値は「最大瞬間風速」といいますが、「最大風速」は平均された風の速さの最大であるため、瞬間的に最も強く吹いた「最大瞬間風速」の値はその1.5倍から3倍にもなります。ちなみに、風速が0.2メートル以下のときは風速の値や風向を表現せずに、気象用語では「風弱く」や「静穏」などという表現を用います。

ブラックアイス

ブラックアイス

寒い地方では、車道に十分な量の雪が降ると、走行する車の重みによって「圧雪アイスバーン」に変わります。これは積もった雪が押しつぶされ、その表面が氷のようにツルツルになったもので、雪が降ったあとによく見られるものです。圧雪アイスバーンの路面は、しばしばスリップ事故を引き起こす危険なものですが、寒い地方にはそれ以上に危険なものがあります。それは、路面が凍結しているかどうかほとんど判別できない、「ブラックアイスバーン」あるいは「ブラックアイス」と呼ばれるものです。北国といっても国道などの大きな道路では、交通量の激しさと頻繁に行われる除雪作業などによって、冬でも雪のない乾燥路面になっていることが案外多いものです。そのような道路では、寒さが緩む昼間に道の脇の雪や氷が解けて路面が濡れて、その後気温の下がる夜に再び凍結することがあります。これがブラックアイスバーンと呼ばれるものです。ブラックアイスバーンは、大変薄い氷が路面を覆っているため、単に路面が濡れているせいで黒く光っているように錯覚しやすく、夜間は特に見分けにくくなります。ブラックアイスバーンによる事故を避けるためには、十分な車間距離と早めの減速が不可欠なのです。