日本列島は一年で一番寒い季節となっていて、各地から大雪や寒さの話題がさかんに伝わってきます。
一方、南半球は夏真っ盛りということになりますが、真夏の南半球にも日本の真冬と同じくらい寒いところがあります。南極です。
南極にある昭和基地の1月の平均気温は氷点下0.8度で、青森市の1月の平均気温(氷点下0.9度)とだいたい同じです。昭和基地は、今から50年以上前の1957年1月29日、第1次南極地域観測隊によって開設されました。
それ以来、気温や風などの気象観測のほか、超高層物理学、雪氷学、固体地球物理学、生物学、医学など様々な分野の研究が、昭和基地で続けられています。
大陸では内陸に行くほど気温が下がりやすいという特徴があるため、南極大陸から沖に4キロ離れた東オングル島という島にある昭和基地は、内陸部に比べると、まだ気温は高く、また風も弱いため、気候的に恵まれているといえるでしょう。
ただし、沿岸部であるために低気圧の影響を受けやすく、ブリザードと呼ばれる極地特有の雪のあらしに見舞われる日もあり、厳しい環境下にあることは変わりないようです。
お天気豆知識(2025年01月28日(火))


南極には昭和基地をはじめ各国の基地があり、そこでは定常的に気象の観測がなされています。
これらの豊富な観測データから、同じ南極大陸でも観測地による気候の違いを知ることができます。
沿岸部に位置している昭和基地の年平均気温は、氷点下10.4度です。一方、内陸に位置し、標高3500メートルくらいにあるロシアのボストーク基地では、年平均気温が氷点下55.2度と、想像すらできないほどの低温です。
また、過去に観測された最低気温の記録を比べてみても、昭和基地は1982年9月4日の氷点下45.3度が記録であるのに対し、ボストーク基地では、1983年7月21日に氷点下89.2度という気温が観測され、これは、地球上で観測された最も低い気温です。
南極は世界で最も寒いところというイメージがありますが、同じ南極でも場所によって寒さに違いがあるのですね。