寒気団が日本列島にやってくる季節になりました。寒気団の生まれ故郷は北極圏です。
とくに北極付近では、冬の間中、太陽が地平線の上に昇ることがありません。そのため日ごとに冷たい空気がたまっていき、大きな寒気団が形成されます。
数週間経って寒気が十分すぎるほどたまると、今度はその一部が離れて、執と南に向かってあふれ出します。このとき日本に流れてくる寒気団の通り道は、大きく分けて3通りあります。
多くは北極圏から一旦北欧に南下した後、ウラル山脈を越えバイカル湖付近を通って南東に進んできます。寒気団がさらに南を通り、ヒマラヤ山脈やチベット高原を越える長旅のコースもあります。
反対に、北極海沿岸から最短コースをとって南下する寒気団もあり、通常この直行便の寒気は冷たいままでやってくるため最も強烈です。
お天気豆知識(2024年11月26日(火))
2005年から2006年の冬は、厳しい寒さと大雪で被害が出ました。この「平成18年豪雪」では、特に12月から1月上旬にかけて顕著な低温と大雪になりました。
この原因は、寒気を運ぶ偏西風が、日本付近で大きく蛇行し、北極からダイレクトに強い寒気が入りやすい状態が続いたためです。
このため、12月は全国全ての地域で20年ぶりの低温になりました。また、24時間で80センチ近い雪が降ったり、暴風が吹き荒れたりと、荒れた12月でした。
鹿児島市では、22日に積雪が11センチに達し、88年ぶりに記録を更新、新潟県の津南町(つなんまち)では、年の瀬の29日に324センチの積雪を観測しました。
このように、各地で大雪となり、雪下ろしや除雪作業に伴う事故が発生し、100名を超える方が亡くなりました。また、2011年から2012年の冬も強い寒気が流れ込み、日本海側では「平成18年豪雪」に次ぐ大雪となりました。
各地に大きな被害をもたらす強い寒気は、北極からダイレクトにやってくるコースが多く、こういったコースを通る場合は、雪や凍結、暴風などに注意が必用です。