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お天気豆知識(2024年11月19日(火))

たくあん
たくあん

これから寒さが増してくるとともに、大根がおいしい時期を迎えます。大根を使った料理にはさまざまなものがありますが、大根を漬け物にしたたくあんもこれからが一番おいしい時期です。
たくあんをつくるときは、腐敗を防いだり味を浸透させやすくするためにまず大根の水分を抜く必要がありますが、これには2つの方法があります。
最も一般的なのは、天日や風にさらして乾燥させる方法です。今では少なくなりましたが、家の軒から大根を縄ですだれ状に吊るしたり、木のやぐらを組み、大根を並べて掛けている風景を見たことがある方もいることでしょう。
天日や風で干してから漬け込んだものは「干したくあん」といい、コリコリとした強い歯ごたえがあります。
もう一つは、日光や風を利用せず、生の大根を塩に漬け込むことで脱水する方法です。塩漬けにして乾燥させてつくられるたくあんは「塩押したくあん」とよばれ、柔らかい食感が特徴です。
これから、たくあんのおいしい時期に、干したくあんと塩押したくあんを食べ比べてみてはいかがでしょうか。

各地のたくあん
各地のたくあん

たくあんは長年日本人に好まれてきた漬け物で、地方によって作り方もさまざまです。たとえば、北海道の「早漬たくあん」は、漬け込み期間が数日以内と短いため、漬け物特有のうまみは乏しいものの、ビタミン類の損失が少ないたくあんです。
また、秋田県には「いぶりたくあん」とよばれるいぶして乾燥させるたくあんがあります。雪の多い秋田では大根を外で干すことができないので、天井から大根を吊り下げていろりの火で乾燥させているのです。そのため、たくあんにはいぶすことで生まれた独特の香りがあります。
一方、東京では塩で脱水する「塩押したくあん」が主流で、「東京たくあん」とよばれています。これは大正から昭和にかけてたくあんの出荷量が激増し、製造が間に合わなくなったために考え出されたたくあんで、早ければ漬け込んでから1週間で食べることができます。
反対に、2年以上という長い時間をかけてじっくり漬けるたくあんもあります。長いものは2メートルに達するという愛知県特産の「守口大根」を使った「守口漬」です。塩漬けした後、酒かすに数回漬け込み、最後にみりんかすとみりんに漬けてつくられます。
山口県名産の「寒漬」は大根を塩漬けにし、さらに寒風にさらして干し上げ、醤油につけ込んだものです。寒さの厳しいころに漬けられることからこの名が付いたとされています。
鹿児島県には大きなつぼで漬け込む「山川漬」というたくあんがあります。大根を天日と寒風にさらして乾燥させ、海水を入れたうすに浸してきねでついて柔らかくします。さらに風干ししたあと塩もみし、つぼに密閉して漬け込んでつくられます。つぼを使うことから「つぼ漬け」ともいいます。
一口にたくあんといっても、地域によってそのつくられ方はさまざまで、味や香り、食感にも大きな違いがあるのです。

過去のお天気豆知識

クリスマスツリー2025年12月09日(火)
タラ2025年12月08日(月)
衣服の役割2025年12月07日(日)
大雪(たいせつ)2025年12月06日(土)
野沢菜2025年12月05日(金)
冬将軍2025年12月04日(木)

各地の天気

お天気豆知識

クリスマスツリー

クリスマスツリー

これからの時期、クリスマスツリーを見かける機会が増えてきます。ツリーの飾りにはそれぞれ意味があるのをご存知ですか。ツリーの一番上に輝く星はトップスターといい、イエス・キリストが生まれた時にお祝いにかけつけた賢者を導いた星をイメージしたものです。また尖った葉が印象的なヒイラギが飾りとして使われますが、これはイエス・キリストがかぶったという、いばらの冠を表しているのです。赤と白のストライプの模様が入ったキャンディー・ケーンと呼ばれる杖の飾りは、羊に例えられる多くの人々を幸福に導く羊飼いの杖をイメージしたものです。ベルは救世主の誕生を告げるものとして、喜びや祝福の意味があり、お祝い事には欠かせないものとなっています。こうした飾りを付けるモミの木も、真冬でも緑の葉をつける常緑樹を使うことで、強い生命力や永遠へのあこがれが込められていたのです。こうした飾りものの意味を思い起こしながら、ツリーの飾りつけをしてみてはいかがでしょうか。

タラ

タラ

日本は四方を海に囲まれた島国で、私たちは昔から海の恩恵を豊富に受けています。とりわけ、食卓にのぼる魚たちは、その代表的な例と言えるでしょう。今が旬を迎えているものには、タラがあります。タラはその身が雪のように白く、また冬に旬を迎えることから漢字では「魚へん」に「雪」と書き、「鱈」の字をあてます。タラは鍋料理の具としても重宝され、煮込んだあとのだし汁もおいしく、「鱈ちりは後から食え」ということわざもあるほどです。また、お腹いっぱい食べることを「たらふくくう」と言いますが、この言葉には「鱈腹食う」という字を使うこともあります。これは、タラが食欲旺盛な魚で、そのお腹が大きく膨らんでいることに由来します。私たちの食文化は、言葉の文化にも通じる所があるのですね。

衣服の役割

衣服の役割

日ごとに寒さが増し、本格的な冬に近づいてきました。冬の寒さと上手につきあうためには、効率良く防寒をする工夫が大事です。寒いからといってただやみくもに重ね着をしても、風が吹くととたんに寒く感じたり、反対に服の中が蒸れて不快だったりとうまくいきません。快適で効率的な防寒をするには、肌着(インナー)、中間着(ミドラー)、外着(アウター)の役割を考える必要があります。肌着は皮膚に直接触れる衣服なので、衛生面からも汗をよく吸収し、かつ乾きやすい性質が求められます。中間着には高い保温性が必要で、空気の層をたっぷりと作ることのできるものが適しています。外着は防風性や防寒性、防水性が優れているものを選びます。周囲の寒さが体に伝わってこないような中綿でなおかつ、そで口やえり口などがしっかり詰まったものが望ましいでしょう。これらの機能がそろったものならば、最低3枚の重ね着で寒さをしのぐことができるのです。