冬には、上空に寒気が居座り、西高東低の冬型の気圧配置が続くことが多くなります。このため、日本海側では連日のように鉛色の雲が雪を降らせ、太平洋側では乾燥した晴天が続きます。
春や秋は天気が周期的に変わるため、雲も多様に変化しますが、冬は上空に広がる雲も地味な印象があります。ただ、地上から山を見上げると、面白い形をした雲がかかっていることがあるのです。
山の周辺では、空気の流れが山の影響で変化するため、ユニークな形をした雲ができます。その代表格は「笠雲(かさぐも)」です。
富士山にかかる笠雲は有名で、山頂付近にできる、あたかも山が笠で覆われたような雲です。
笠雲は、湿った空気が山を上昇し、凝結すると発生します。しばしば、天気の悪くなる予兆の雲として知られ、低気圧や前線が接近しつつあるときによく現れます。
富士山には「笠をかぶれば雨」ということわざがあり、笠雲が出てからその山の麓で、12時間以内に雨の降る確率は7割から8割ともいわれています。なお、笠雲は、富士山のような独立峰だけでなく山の尾根付近でも発生します。
お天気豆知識(2026年02月10日(火))


上空の空気が湿っていなくても強い風の日、山の風下側に出現する雲があります。これは「旗雲(はたぐも)」または山旗雲という雲です。風下側に、あたかも旗がたなびくように現れることからこの名前がついています。
この雲は、冷たく乾燥した風が山の尾根を乗り越えようとするとき、風下側の空気を吸い上げて発生する雲です。このとき、風下側の空気が十分に湿っていることが条件になります。
旗雲は、尾根の片側だけに広がるため、山の尾根を歩く登山者にとっては格好の被写体となります。富士山にもしばしば現れ、乾いた西風が強いときは、富士山の東斜面だけに雲が現れます。
旗雲は、好天が続く場合に現れるといわれていますが、雲のたなびき方によっては悪天になるともいわれています。天気予報をするには判断が難しい雲かもしれません。山や山の周辺に出現する雲は、その他にもいろいろ種類があり、つるし雲やレンズ雲などがあります。
山にかかる雲は、上空の空気の性質や風の様子を知る手がかりとなります。山の雲と天気の関係は、それぞれの地方でことわざになっていることが多いですから、調べておくと役に立つかもしれませんね。

