気温が下がり路面が凍結する冬は、車のスリップ事故が増える季節です。雪道を安全に運転するには、タイヤチェーンを装備する場合とスタッドレスタイヤに履き替える場合との2つの選択があります。
タイヤチェーンは、金属やゴム製の鎖をタイヤに巻き付けることで凹凸をつけ、雪に食い込ませて滑りを阻止するもので、雪の積もった道路はもちろん、凍結した道路にも対応します。
一方のスタッドレスタイヤは、タイヤ自体に深い溝が付けてあり、低温でも硬くなりにくい素材でできています。そのため、チェーンがなくても摩擦力が強く、圧雪状態に特に強い特性があります。
初めて車で雪道に行く場合には、タイヤチェーンかスタッドレスタイヤかで迷うところですが、それぞれに一長一短があります。一時的な雪道走行なら着脱が手軽なタイヤチェーンの方が便利ですが、長距離の走行はスタッドレスタイヤの方がふさわしいでしょう。
雪道の運転は、一歩間違えると大きな事故になりかねないものです。出かける場所の道の特性などを十分加味した上で、準備するようにしたいものです。
お天気豆知識(2025年12月14日(日))


車の運転は路面の状態によって危険度が違ってきます。よく雪道は危ないといいますが、雪のない道と雪道、そのほか路面の違いによって、車の停止距離はどれだけ違ってくるのでしょうか。
普通乗用車が時速40キロで走っている場合を例にみてみると、乾いたアスファルトでは、ブレーキをかけて止まるまでに要する距離はおよそ15メートルです。これが雪の固まった圧雪路面となると、3倍以上の55メートル近くにもなります。
さらに、凍結した道路ではスケートリンクと同じ状態となっており、なんと停止するまでに120メートルも走り、これは乾いた路面のおよそ8倍にもなります。
また、スキーの帰り道などでドライバーが疲れている時には、危険を認知してブレーキを踏むまでに時間がかかるため、停止距離はさらに長くなります。
雪道での運転は、こうした路面の状態を考えに入れて、安全に停止できる速度で走り、前の車との車間距離をしっかり保つことが大切なのです。

