寒い冬の朝、ふと道端の霜柱に目がとまり、ざくざくと踏みつぶして、気がつくと靴がどろんこになった経験はありませんか。
霜柱は、土の中の水分が凍ってできたものです。夜間から明け方にかけて地面が冷やされると、土の中の水分は、毛細管現象によって地表に向かって細かい土の粒の間を上っていきます。上がってきた水分は、地表面で冷やされて氷となり、後から執上がってくる水分も地表面で冷やされ、前に凍っていた氷を押し上げます。
これを繰り返して、氷は直径2から3ミリの柱になり、上へ上へと押し上げるようにどんどん伸びて、長さ数ミリから数センチの霜柱ができあがるのです。
霜柱の押し上げる力はとても強く、小石などを簡単に押し上げます。そのため、霜柱の上には一緒に押し上げられた土がついていることが多く、踏みしめると靴は泥だらけになってしまうのです。
お天気豆知識(2025年11月24日(月))


霜柱は、どのような場所でできるのでしょうか。どうやら日本全国で見られるものではないようです。
霜柱ができるためには土の性質に条件があります。霜柱が地表で成長するためには、土の中の水が地表まで昇っていくことが必要ですが、粗い砂のような土壌では、すき間が大きすぎて水分が昇っていくことができません。
例えば、関東ローム層のような、火山灰によって作られた場所では、土の粒もかなり細かいので霜柱が見られる確率は高くなります。
また、霜柱ができる条件には、土の中の温度も関係してきます。土の中の温度が0度以下になってしまうと、土に含まれる水分が凍ってしまい毛細管現象が起きません。さらに、地表に上がってきた水分が凍るためには、地表面の温度が0度以下であることが必要です。
これから次第に寒さが厳しくなります。足もとを普段より気にして、霜柱を探してみてはいかがでしょうか。

