これからの季節に旬を迎える野菜にカブがあります。
カブはヨーロッパでは紀元前から栽培されていて、日本においても最も古い歴史を持つ野菜のひとつとなっています。かなり昔から栽培されてきたこともあり、現在、全国でおよそ80種類もの品種が作られています。
現在は根野菜という印象が強いのですが、カブにはカブラ、カブラナ、スズナなどという別の呼び名があり、春の七草のひとつにも数えられていることから、主に葉野菜として食べられてきたようです。
根も葉も食べられますが、根の部分と葉の部分では栄養素が違います。根は淡色野菜で、ビタミンCやでんぷん分解酵素であるジアスターゼ、整腸作用を促す食物繊維などが多く含まれています。
一方、葉は緑黄色野菜で、ビタミンCやカルシウム、鉄、食物繊維などを豊富に含んでいます。
根で消化吸収、葉で栄養補給。カブは根と葉を両方使うことによって、その真価が発揮される食材なのです。
お天気豆知識(2025年11月23日(日))


栄養のバランスがとれたカブは、どんな料理にするのが効果的なのでしょうか。
それには根と葉とをあわせて食べられて、余すところなくカブの栄養を摂取できる「漬物」がおすすめです。
カブの漬物といえば、根の部分を漬けた千枚漬けや、カブの一種である野沢菜を漬けた野沢菜漬けなどがあります。また、漬物にすることで、漬物石の重みにより繊維がぎっしりと詰まり、コリコリとした歯ごたえが加わり、食欲をそそります。
栄養豊富なカブの根も葉も漬物にして、これからの冬を健康に乗りこえたいものですね。

