通りや公園などでは、木の葉がはらはらと舞い落ちる姿が見られるようになりました。なぜ秋から冬にかけて木の葉はいっせいに落葉するのでしょうか。
乾燥する冬に青い葉がついていると、葉の裏の気孔と呼ばれる小さな穴からどんどん水分が失われて、木全体が死んでしまいます。そのため、樹木は冬に備えて水分の損失を防ぐために、自ら葉を切り離すのです。
ほかにも、体内にたまった老廃物を捨てるという目的もあります。動物は排せつにより老廃物を外に出すことができますが、植物はそれができません。このため落葉樹は葉に集まってきたいらないものを、一年に一度葉ごと捨てるために葉を落とすのです。
また、冬は夏に比べて太陽の光が弱く、養分を作るための光合成が活発でないため、葉を保つことができないという理由もあると言われています。
このような理由から、気温が下がり日照時間が短くなると、自然と樹木から葉が切り離されます。きれいに紅葉した葉が落ちるのを見ると何となくもの悲しくなるものですが、木々は自分の体の一部を切り離して冬を乗り切る準備をしているのですね。
お天気豆知識(2025年11月10日(月))


公園などで地面に積もった落ち葉を踏みつけたり、赤や黄色のきれいな落ち葉を集めて遊ぶのは楽しいものです。ところで、公園や通りの落ち葉はいったいどこへ行くのでしょうか。
ほとんどの場合、周辺の住民や管理者などによって集められ、可燃ごみとして処分されています。しかし、大きな公園などでは捨てられるはずの落ち葉を使って、花壇や田畑のための肥料を作っているのです。
良い肥料を作るためには、葉に厚みのあるナラやクヌギ、ケヤキなどの落ち葉が適しています。集めた葉は容器に入れて圧縮し、そこへ水や油かす、米ぬかなどを加えて、雨に濡れないようビニールシートをかぶせておきます。こうしてひと冬の間置いておくと、ミミズや微生物などの生き物が落ち葉を分解し発酵させるのです。
ひと冬の間に一度か二度は、空気を入れ発酵を進ませるために、全体をかき混ぜることも大切です。葉の形は残っていても、握るとぼろぼろに崩れる状態になったものを日に当てて半乾きにすれば、立派な肥料が出来上がります。落ち葉から作った肥料は、環境にやさしいだけでなく、土を改良するという効果もあるのです。
あまり気に留めることのない落ち葉の行方ですが、肥料として再利用され、再び土に戻る葉もあるのですね。

