もうすぐ4月ですね。4月になると学校では学年がひとつ上がり、職場などでも年度始めとして新しい環境で物事がスタートします。
桜の花の下で入学式や入社式を迎えたりした思い出があるのではないでしょうか。このように、日本では4月が年度始めの月ですが、桜とともに新しい門出を迎えるのは日本ならではのことです。
世界に目を向けてみると、年度始めは国によって様々です。学校の新学年の授業開始月がいつであるかをみてみると、アメリカやイギリス、フランス、ドイツでは9月が新学年のスタートです。これは長い夏休みを区切りとしているためです。
ブラジルは2月が新学年の始まりで、韓国は2月ごろの旧正月を終えて、3月に新学年がスタートします。
そのほか、インドでは6月または7月、南アフリカは1月、オーストラリアは1月または2月が新学年のスタートとなります。
このように、世界各国の気候や行事によって新学年の開始月は違います。それぞれの国の事情によってこれほど異なってくるのはおもしろいものですね。
お天気豆知識(2025年03月29日(土))


新学年の開始時期は世界各国で異なりますが、ではなぜ日本は4月からなのでしょう。門出にふさわしい桜の咲く時期だからでしょうか。しかし、実際のところは桜と直接の関係はないようです。
歴史をひも解いてみると、学校の前身である江戸時代の寺子屋などは随時入学の形をとっており、新学年開始の時期はまちまちでした。明治になって学校制度が作られると同時に欧米人の先生を多く迎えたため、欧米の制度にならって9月が年度始めとなりました。
そのご、1887年(明治20年)ころから徐々に9月から4月へと変更しはじめたのです。その理由は2つあり、1つ目は国の会計年度の始めが4月となったためです。会計年度にそろえた方が学校の運営をする上で都合が良いため、その変更に合わせて新学年の開始月も変更されたのです。
そして2つ目は、軍隊への入隊届けの締め切りがそれまでの9月から4月に早まったことによります。学校側は優秀な若者を兵隊に取られないようにするために、軍隊に合わせて学校も4月開始としたのです。
このように、歴史からみると日本の新学年開始は桜の季節に合わせたわけではありません。しかし、4月に咲き乱れる桜は新たな門出を歓迎しているようにも思えます。やはり4月は新学年の開始にふさわしい季節なのかもしれませんね。