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お天気豆知識(2025年03月20日(木))

山の体感温度
山の体感温度

3月も後半となり、暖かい日も多くなってきました。屋外でのレジャーにもちょうどよい季節になり、この春休みに登山を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、春先とはいえ山の上では真冬並みの気温が続いていることに加え、私たちが感じる「寒さ」は、単に気温が低ければ増すわけではないことを知っておく必要があります。
寒さは気温のほかに風速や湿度、日ざしの有無などいろいろな条件で決まってきます。このような実際に体に感じる温度のことを体感温度といいますが、特に風の影響を大きく受け、風速が1メートル増すと体感温度は1度以上低くなる、と言われています。
例えば、ふもとの気温が15度で風速が1メートルの場合、体感温度は気温より1度下がり14度となります。しかし、気温は標高が100メートル高くなるとおよそ0.6度ずつ低くなるため、標高1500メートルの山の上はふもとより9度も低い6度となります。
さらに、山の上ではさえぎる物がないのでふもとよりも風が強く吹きます。山の上で10メートルの風が吹いている場合、体感温度は実際の気温より10度も下がり、この場合は氷点下4度前後となるのです。
つまり、ふもとの気温が15度のぽかぽか陽気でも、山の上では体感温度が氷点下という世界が待っているのです。春の登山は暖かくなったからといって安心せず、十分な防寒対策をする必要があります。

凍傷を防ぐために
凍傷を防ぐために

地上では西日本から桜の時期を迎えていますが、山の上ではまだまだ冬です。そのため、春山登山とはいえ装備や知識が不足していると凍傷になる危険性があるのです。
凍傷とは、冷たい空気によって全身または局所に起きる傷害で、体感温度が0度以下になると凍傷にかかりやすくなると言われています。そのため、風が強い春山では凍傷に注意しなくてはなりません。
凍傷のきわめて軽いものはいわゆるしもやけで、かゆみや熱さを感じますが、症状が進むと水ほうができたり、凍傷にかかった細胞が死ぬこともあります。凍傷を防ぐには、保温し、血行をよくすることがポイントです。
残雪のある場所では知らない間に靴下や手袋が濡れてしまうことがあります。そのまま身につけておくと手足の先が冷えて凍傷にかかりやすくなるため、こまめに取りかえるようにしましょう。また、温かい飲み物や食事をとることも基本です。
このように、春山に登る際には冬山と同じような装備が必要です。荷物を少なくしたいのはやまやまですが、替えの靴下や手袋、それに体を温める食料はしっかりと準備しておきましょう。

過去のお天気豆知識

温泉は「地球のスープ」2025年11月18日(火)
焼きいも・12025年11月17日(月)
雪迎え・12025年11月16日(日)
最も遅く上陸した台風2025年11月15日(土)
冬は静電気の季節2025年11月14日(金)
縞枯れ(しまがれ)現象2025年11月13日(木)

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お天気豆知識

温泉は「地球のスープ」

温泉は「地球のスープ」

寒い季節、体を芯から温めてくれるものといったら、やはり温泉でしょう。温泉水は、雨水が地中にしみ込んでできる地下水とは成分が大きく異なります。それは、温泉が地球内部を起源としており、地上に現れるまでに様々な物質を溶かし込んでくるためです。マグマから出る水蒸気やガス、地層によって閉じ込められた海水などが含まれているといわれ、まさに地球からしみ出す「スープ」といえるのです。そのため、温泉には優れた効能があります。まず、温泉の温かさは血行を良くして新陳代謝を活発にしてくれます。また、温泉に含まれている化学成分の薬理作用も期待できます。さらには温泉による浮力がリラックス効果を生みます。特に温泉は普通の水よりも重たいため、浮力が強く働いて全身の緊張を解いてくれるのです。温泉地の環境が精神的に良い影響を与えてくれることもあるので、この季節、紅葉や雪を見ながら、ゆったりと温泉につかってみてはいかがでしょうか。

焼きいも・1

焼きいも・1

11月も中旬となり寒さも増し、次第に冬らしくなってきました。温かい食べ物が恋しい季節ですが、おやつに焼きいもが食べたくなることはありませんか。焼きいもの甘さの秘密はさつまいもに含まれる、βーアミラーゼという酵素です。βーアミラーゼは、デンプンを甘みのもとになる麦芽糖(ばくがとう)に変えるのです。ただ、この酵素が活躍する温度は65度から85度までの間と限られています。家庭で電子レンジを使って作る焼きいもは、短時間しか加熱されていないため、酵素が活動する温度が長く保たれず、石焼きで作る焼きいもよりやや甘みが少なくなっています。しかし、どうしてもレンジを使って焼きいもが食べたい、という方には次のような一工夫があります。さつまいもを湿らせたキッチンペーパーに包み、加熱温度を弱めに設定して時間をかけて作ってください。時間をかけた分、麦芽糖がたくさん作られ甘みが増し、おいしく仕上がります。

雪迎え・1

雪迎え・1

寒さが増し初雪の便りが届くようになってきました。この時期になると、山形県米沢盆地では「雪迎え」と呼ばれる珍しい光景を目にすることがあります。雪迎えとは、クモが糸を出して上昇気流を受け、空を飛ぶものです。快晴で風のない小春日和に見られ、いつも初雪の直前に見られるため、雪の前兆とされ、収穫や冬や冬ごもりの目安にされてきました。クモが空を飛び交う姿を想像すると、あまり気持ちの良いものではないように思うかもしれませんが、雲一つない青空に銀色の糸がキラキラと揺らめきながら舞う姿は、実際はきれいなものです。ヨーロッパでは糸がクモから離れて舞っているものをゴッサマー(Gossamer)と呼んでいますが、それがクモの糸だとわかる以前には、その美しさから聖母マリアの紡いだ糸だと信じられたこともあったようです。ちなみに、中国ではこの雪迎えを「遊糸(ゆうし)」と呼び、日本でも古くはこの呼び名が使われており、古今和歌集などにも登場しています。