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お天気豆知識(2025年03月14日(金))

笠雲
笠雲

雲にはさまざまな形があり、いろいろな名前が付けられています。うろこ雲や入道雲、飛行機雲などいろいろありますが、その形のおもしろいものに笠雲(かさぐも)があります。
笠雲は、山の頂上にちょうど笠をかぶせたようにかかる雲のことです。一見、じっとそのまま浮かんでいるように見えますが、実際は上空を流れる湿った空気が山の斜面にぶつかることによって上昇し、執と雲をつくっているのです。
笠雲を作る湿った空気は、低気圧や気圧の谷が近づいていることで流れ込んできます。そのため、山の頂きに笠雲ができると天気は下り坂になっていることが多いのです。
美しい笠雲をみせる山の代表には富士山がありますが、富士山には「富士山が笠をかぶれば雨」ということわざがあります。ある調査によると、富士山に笠雲がかかってから12時間以内に雨が降り出す確率は80パーセントという結果も出ています。
このことわざは、数ある天気のことわざの中でも最も的中率が高いものと言えるでしょう。笠雲がかかった富士山を目にしたならば、翌日は雨、と考えてよさそうです。

「笠雲は雨」のことわざのある山
「笠雲は雨」のことわざのある山

「富士山が笠をかぶれば雨」ということわざがありますが、富士山にかかわらず、各地にも同じようなことわざがあります。
たとえば、北海道の駒ヶ岳(こまがたけ)には「駒ヶ岳に笠雲がかかると天気が悪くなる」というのがあります。
また、日本有数の山岳地帯がある長野県には、「黒姫山(くろひめやま)が笠をかぶると雨」や、「浅間山(あさまやま)に笠雲かかれば雨」ということわざがあります。
広島県の呉市内を一望できる灰ケ峰(はいがみね)にも、「灰ヶ峰に笠雲がかかると雨」という言葉があります。
このように、「笠雲は雨」という言葉が富士山だけではなく日本各地にあることからも、当たる確率の高いことわざと言えるのではないでしょうか。
皆さんの住んでいる所から見える山に笠雲がかかったときは、下り坂の天気の合図かもしれません。笠雲で天気の予想をしてみてはいかがでしょうか。

過去のお天気豆知識

旬の食材・白ねぎ2025年12月31日(水)
おせち2025年12月30日(火)
お屠蘇(おとそ)2025年12月29日(月)
オーロラのしくみ・12025年12月28日(日)
餅(もち)つき・12025年12月27日(土)
雪崩の種類2025年12月26日(金)

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旬の食材・白ねぎ

旬の食材・白ねぎ

ねぎと言えば、東の白ねぎ、西の青ねぎと言われるように、関東と関西では好んで食べられる種類が異なり、産地も違います。白ねぎは、別名「根深ねぎ」とも言い、地中に埋まっている白い部分を主に食べる種類です。産地としては関東北部が有名で、群馬や茨城、埼玉や千葉などで多く収穫されています。栄養的には青ねぎの方が優れていますが、臭いは白ねぎの方が強く、この臭い成分が実はすぐれたパワーを持っています。臭い成分の主なものは「アリシン」という物質で、発汗を促して体温を上昇させる働きがあります。風邪をひいた時、ウイルスを退治するにはある程度の体温が必要です。アリシンを多く含んだ白ねぎを食べれば、体温上昇を促すことができます。またアリシンには殺菌効果もあるので、風邪には打ってつけと言えるでしょう。

おせち

おせち

今年も今日を入れてあと2日、お正月は目の前です。お正月ならではの料理といえば、お雑煮とおせち料理ですよね。このおせちは、もともと宮中で節日(せちにち、お祝いの日)の宴会に供されたごちそうのことでした。お正月におせち料理を食べるのは「正月の3日間、女性が休養できるように」とはいわれるものの、本来は神様を迎えている間は物音を立てたり騒がしくせず、台所で煮炊きをするのを慎む、というところからきています。おせち料理は、一般的に重箱に入れられ、基本は四段重ね(地方によっては五段)で、上から一の重、二の重、三の重、与の重といいます。「四の重」といわないのは「四」だと「死」と同音になるからです。一の重は祝い肴、二の重は焼き物、三の重は酢の物、与の重は煮物、(五の重は控えの重)というのが一般的ですが、これも地方によって大きな差があるようです。また最近では有名なお店やデパートの高級おせちが人気ですが、それぞれの家庭でお気に入りのものを入れるオリジナルおせちも楽しいですよね。

お屠蘇(おとそ)

お屠蘇(おとそ)

お屠蘇とは漢方薬の一種である「屠蘇散(とそさん)」を酒やみりんに浸したもので、屠蘇散はサンショウ、ボウフウ、ビャクジュツ、キキョウなど数種の薬草が調合されています。また、酒やみりんにはブドウ糖、必須アミノ酸、ビタミン類が含まれ、アルコールには血行を促進させる働きがあります。お屠蘇には胃腸の働きを盛んにし、風邪を予防するための効果があるので、寒さが厳しく、お酒の量も多くなる年始の時期にお屠蘇を頂くことはまさに先人の知恵と言えるでしょう。正月にお屠蘇を飲む風習は、平安時代に中国から日本に伝わり、嵯峨(さが)天皇の時代に宮中の正月行事として始められたあと江戸時代に一般市民へと広まりました。お屠蘇の「屠」は「邪気を払う」、「蘇」は「魂を目覚め蘇らせる」という意味があるといわれています。年のはじめにお屠蘇を飲むという風習には、無病息災を祈り、心身ともに改まろうという願いが込められているのです。