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お天気豆知識(2024年11月28日(木))

炬燵(こたつ)
炬燵(こたつ)

テレビにみかん、それにこたつと言えば、冬の定番でしょう。家族みんなでこたつにあたりながら、話をしていると心まで温まる気がします。
こたつは「炬燵」や「火燵」などとも書き、室町時代に初めて登場しました。ストーブのように部屋全体を暖めるのではなく、体の一部分だけを温める暖房器具は世界でも珍しいものです。
これは日本家屋が通気性を重視したふすまや障子で区切られているために気密性が低いことと、部屋全体を暖められるほどの十分な燃料が手に入らなかったことが理由だと考えられます。
最近は西洋式の家が多く、ストーブやエアコンなどの暖房器具が目立っていますが、いろりを囲むようにみんなが向かい合って暖を取る姿は日本独特の光景で、まさに冬の風物詩と言えるでしょう。
こたつでみかんを食べるのも、立派な文化のひとつと言えそうですね。

こたつの種類
こたつの種類

こたつには、大きく分けて「掘りごたつ」と「置きごたつ」の2種類があります。歴史的には掘りごたつの方が古く、室町時代にはすでに使われていました。
掘りごたつはいろりの上にやぐらを組んで、紙子(かみこ)と呼ばれる紙を揉んで柔らかくした保温用の衣服などをかけたもので、足をのせて暖を取っていました。
このころのやぐらは足をのせやすいように低く、形は今のような格子状ではなく、簀の子(すのこ)になっていたようです。
江戸時代になると畳が普及し、いろりに変わって火鉢が多く利用されるようになりました。この火鉢とやぐらを一体化させたものが「置きごたつ」です。
掘りごたつと違い、場所を移動することができるのが最大の特徴で、現代の電気ごたつの祖先と言えます。
また、置きごたつの一種に行火(あんか)という小さな箱の内部に炭火などを入れた物もあり、やがて懐に入れて持ち歩ける懐炉(かいろ)も発明されました。一度こたつに入ると動きたくなくなるという人は、こちらの方が良いかも知れませんね。

過去のお天気豆知識

ハタハタ2025年12月10日(水)
クリスマスツリー2025年12月09日(火)
タラ2025年12月08日(月)
衣服の役割2025年12月07日(日)
大雪(たいせつ)2025年12月06日(土)
野沢菜2025年12月05日(金)

各地の天気

お天気豆知識

ハタハタ

ハタハタ

冬の日本海は波が高く荒れるため、漁師でも海に出ることは困難になります。しかし、そんな荒れた海でもハタハタという魚は、産卵のため北日本の日本海側沿岸までやってくるのです。冬に捕ることのできるハタハタは、春までの保存食としてこの地方の冬の味覚となっていますが、そのなかでも有名なのが、秋田名物、しょっつる鍋とハタハタ寿しです。しょっつる鍋とは、ハタハタを塩漬けにしたときに出る上澄み液、「しょっつる(塩汁)」を利用した鍋料理のことです。ハタハタ寿しは、ハタハタを塩や米、麹などで漬け込み発酵させた保存食で、昔から秋田などで正月料理には欠かせないものとして家庭で作られていたようです。

クリスマスツリー

クリスマスツリー

これからの時期、クリスマスツリーを見かける機会が増えてきます。ツリーの飾りにはそれぞれ意味があるのをご存知ですか。ツリーの一番上に輝く星はトップスターといい、イエス・キリストが生まれた時にお祝いにかけつけた賢者を導いた星をイメージしたものです。また尖った葉が印象的なヒイラギが飾りとして使われますが、これはイエス・キリストがかぶったという、いばらの冠を表しているのです。赤と白のストライプの模様が入ったキャンディー・ケーンと呼ばれる杖の飾りは、羊に例えられる多くの人々を幸福に導く羊飼いの杖をイメージしたものです。ベルは救世主の誕生を告げるものとして、喜びや祝福の意味があり、お祝い事には欠かせないものとなっています。こうした飾りを付けるモミの木も、真冬でも緑の葉をつける常緑樹を使うことで、強い生命力や永遠へのあこがれが込められていたのです。こうした飾りものの意味を思い起こしながら、ツリーの飾りつけをしてみてはいかがでしょうか。

タラ

タラ

日本は四方を海に囲まれた島国で、私たちは昔から海の恩恵を豊富に受けています。とりわけ、食卓にのぼる魚たちは、その代表的な例と言えるでしょう。今が旬を迎えているものには、タラがあります。タラはその身が雪のように白く、また冬に旬を迎えることから漢字では「魚へん」に「雪」と書き、「鱈」の字をあてます。タラは鍋料理の具としても重宝され、煮込んだあとのだし汁もおいしく、「鱈ちりは後から食え」ということわざもあるほどです。また、お腹いっぱい食べることを「たらふくくう」と言いますが、この言葉には「鱈腹食う」という字を使うこともあります。これは、タラが食欲旺盛な魚で、そのお腹が大きく膨らんでいることに由来します。私たちの食文化は、言葉の文化にも通じる所があるのですね。