@nifty天気予報
今日・明日の天気
MY天気

お天気豆知識(2024年11月19日(火))

ロードヒーティング・1
ロードヒーティング・1

北日本や北陸地方などでは雪の季節を迎え、これから雪が積もるようになってきます。雪や氷が路面を覆うようになると、スリップ事故が発生するおそれもでてくるため、雪国では道路の融雪に様々な努力をおこないます。
雪国の中でも比較的寒さの厳しくない地域では融雪剤を散布したりくみ上げた地下水を散水して雪や氷をとかしていますが、北海道などの特に寒さの厳しい地方ではロードヒーティングによる融雪を行っています。
ロードヒーティングというのは、道路の下に電熱線や温水パイプなどを埋設し、電気や温水によって路面の雪や氷をとかすものです。
坂道や急カーブ、交差点などのスリップ事故のおきやすい車道のほか、歩行者の転倒事故を防ぐために歩道でも利用されています。
また、除雪作業が困難な高齢者の家庭では玄関前に埋設して利用したり、いつも雪の無い状態を保ちたい店舗やアパート、マンションなどの駐車場などでも活躍しています。
寒さの厳しい地方にとって、ロードヒーティングは、冬を快適で安全に過ごすためになくてはならないものとなっています。

ロードヒーティング・2
ロードヒーティング・2

路面が雪に覆われた場合、除雪車を使っても道路の雪や氷を完全に取り除くことはできませんし、除雪車を利用すればそれだけ人手が必要になります。
しかし、ロードヒーティングを利用すれば、極端な低温や大雪のときでない限り、路面の雪や氷を完全にとかして安全な道路を確保することができます。
ロードヒーティングには大きな利点がある一方で、埋設などの工事費や維持費が高いという欠点もあります。そのため、費用を少しでも少なくおさえようと様々な工夫がなされています。
たとえば、気象状況に応じた効率的な運転をおこなったり、温水プールや地下鉄の駅舎などからの熱を再利用することでエネルギーの無駄使いを減らしています。
また、その土地ならではの工夫もあります。冬に地吹雪が起こりやすい道路では、強風を逆手に取りロードヒーティングのための電力を風力発電によって確保しています。
温泉地の中には、歩道の下に温泉水を流してロードヒーティングを行い、維持費を電熱線方式の50分の1にまでおさえているところもあります。
冬道の安全を確保するためにも、ロードヒーティングなどの対策をいっそう充実させてほしいものですね。

過去のお天気豆知識

お屠蘇(おとそ)2025年12月29日(月)
オーロラのしくみ・12025年12月28日(日)
餅(もち)つき・12025年12月27日(土)
雪崩の種類2025年12月26日(金)
地吹雪(じふぶき)2025年12月25日(木)
ダイヤモンドダスト・12025年12月24日(水)

各地の天気

お天気豆知識

お屠蘇(おとそ)

お屠蘇(おとそ)

お屠蘇とは漢方薬の一種である「屠蘇散(とそさん)」を酒やみりんに浸したもので、屠蘇散はサンショウ、ボウフウ、ビャクジュツ、キキョウなど数種の薬草が調合されています。また、酒やみりんにはブドウ糖、必須アミノ酸、ビタミン類が含まれ、アルコールには血行を促進させる働きがあります。お屠蘇には胃腸の働きを盛んにし、風邪を予防するための効果があるので、寒さが厳しく、お酒の量も多くなる年始の時期にお屠蘇を頂くことはまさに先人の知恵と言えるでしょう。正月にお屠蘇を飲む風習は、平安時代に中国から日本に伝わり、嵯峨(さが)天皇の時代に宮中の正月行事として始められたあと江戸時代に一般市民へと広まりました。お屠蘇の「屠」は「邪気を払う」、「蘇」は「魂を目覚め蘇らせる」という意味があるといわれています。年のはじめにお屠蘇を飲むという風習には、無病息災を祈り、心身ともに改まろうという願いが込められているのです。

オーロラのしくみ・1

オーロラのしくみ・1

地球上には私たちが決して作り出すことのできない美しい自然現象が存在します。北極や南極に近い高緯度地方で見られるオーロラもその一つと言えるでしょう。この夜空を乱舞する光のカーテン、オーロラの正体はいったい何でしょうか。これを理解するには、地球が作る「磁場」について知る必要があります。地球は巨大な磁石であり、地球の周りには磁石の働く「磁場」という領域が存在しています。磁場は地球を取り囲むように広がっています。太陽風と呼ばれる太陽から吹く電気を帯びた粒子の流れによって大きく変形し、太陽とは逆方向の地球の夜側に延びて広がっています。この電気を帯びた粒子が地球に侵入し、大気と衝突することで光を発するのです。しかし地球は磁場によって守られているため、この粒子は、北極や南極の磁場のすき間からわずかに入り込むか、太陽と反対側の地球から十分に離れた磁場の弱い所から突入するしかありません。北極や南極の磁場のすき間から粒子が入って来る場合は、太陽の光が当たるため、オーロラの光を確認することはできません。夜空に輝くオーロラを作り出すのは、太陽を出発した粒子が地球の夜側へ回り込み、地球の磁場に取り込まれて北極や南極付近に流されてくる粒子なのです。

餅(もち)つき・1

餅(もち)つき・1

年末に、家族や親戚で集まって餅つき大会という光景を最近ではあまり見かけなくなりました。しかし、多くの家庭では鏡餅を飾り、お正月にお雑煮を食べるのではないでしょうか。このお餅とは「ハレの日」に食べる食べ物で、餅を食べることによって霊魂の再生を図ろうとしました。また鏡餅は、お供え餅ということもあるように、年神様にお供えし、感謝と幸せをお願いするものです。今では、餅つき機なるものも登場していますが、やはり機会があれば、石や木でできた臼(うす)と木の杵(きね)で餅をつきたいものです。