冬に風邪をひきやすい理由
寒さが次第に増して、風邪をひきやすい季節になってきました。風邪とは、様々な原因によって起きるのどや鼻の粘膜などの炎症を言い、その原因の80パーセントから90パーセントはウイルスだとされています。風邪のウイルスは低温で乾燥した状態を好み雪の少ない太平洋側の冬は、この条件にぴったりと当てはまります。また、エアコンや電気ストーブによる暖房は室内の空気をさらに乾燥させるため、ウイルスにとって繁殖しやすい環境を作り出します。そして、低温は人間の体にも影響を与えます。人の体には、ウイルスやちりなどの異物を呼吸によって体内に取り込まないようにする防護機能が備わっています。そのひとつが気道に生えている線毛(せんもう)と呼ばれる細い毛です。気道に入り込んだウイルスなどは、線毛によってとらえられ、粘液とともに排出されるのですが、この機能は、低温によって低下してしまいます。そのため、冬は体に入ったウイルスを排出することが困難になり、風邪をひきやすくなるのです。冬はウイルス自体が活発になるのと同時に、人間の生活や生理機能の点から見ても、風邪を引きやすい季節だと言えるのです。