立春から数えて八十八日目の5月のはじめごろは古くから八十八夜(はちじゅうはちや)と呼ばれてきました。
このころから霜が降りる心配がなくなって農作物の種まきの適期を迎えるという意味から、よく「八十八夜の別れ霜(わかれじも)」とか「忘れ霜(わすれじも)」などと言われています。
実際、北海道などでは最後に霜が降りる平年日が、5月中旬になるところがあります。青森市では4月22日、盛岡市で4月29日で、それより南へいくにしたがって平野部では霜が最後に観測される日は早まる傾向にあります。
ちょうど八十八夜のころは、北海道を除いた平野部で霜の心配がなくなる時期といえるでしょう。
では八十八夜を過ぎると霜が降りないのかというと、必ずしもそうではありません。
人々が、霜による災害に対して気が緩んだころに降りる霜は、農作物に大きな被害をもたらすのです。
お天気豆知識(2026年05月09日(土))


昔からの経験上考えられた言葉に「九十九夜(くじゅうくや)の泣き霜(なきじも)」というものがあります。
これは、八十八夜からさらに十一日後の5月中旬ごろは時期はずれの霜がおりることがあって、農作物を枯らしてしまうので気をぬかないように、という戒めの言葉です。
霜が最後に観測される日が平年より1ヶ月ほど遅れたという記録が全国的にあり、遅い時期に発生する霜は、農作物が育ってしまっているだけに被害は甚大なものになります。
そこで、農家の方はむしろやわらなどで作物を覆ったり、のこぎりくず、生木の枝葉を畑でいぶして煙を出すなどの対策をとっています。
また各地の気象台や測候所は著しい被害が予想される場合に霜注意報を発表し、霜による被害をくいとめる努力をしています。

