ねぎと言えば、東の白ねぎ、西の青ねぎと言われるように、関東と関西では好んで食べられる種類が異なり、産地も違います。
白ねぎは、別名「根深ねぎ」とも言い、地中に埋まっている白い部分を主に食べる種類です。産地としては関東北部が有名で、群馬や茨城、埼玉や千葉などで多く収穫されています。
栄養的には青ねぎの方が優れていますが、臭いは白ねぎの方が強く、この臭い成分が実はすぐれたパワーを持っています。臭い成分の主なものは「アリシン」という物質で、発汗を促して体温を上昇させる働きがあります。
風邪をひいた時、ウイルスを退治するにはある程度の体温が必要です。アリシンを多く含んだ白ねぎを食べれば、体温上昇を促すことができます。またアリシンには殺菌効果もあるので、風邪には打ってつけと言えるでしょう。
お天気豆知識(2025年12月31日(水))


かぜをひいたときには、旬の白ねぎを使って鴨南蛮(かもなんばん)はいかがでしょうか。
白ねぎを大きくざっくりと切ると、体温上昇や殺菌作用のあるニオイ成分の効果がより長時間持続するようになります。また、白ねぎの成分が閉じこめられて煮込むほどに味がよくなるという利点もあります。
さらに白ねぎには肉類のうまみ成分を引き出す効果があり、おいしさを増強してくれます。肉は鶏(とり)肉でもよいのですが、「カモがネギしょって来た」と言うことわざがあるように、ねぎとの相性がいい「鴨(かも)肉」を使ってみるとよいでしょう。鴨肉は鶏肉と比べて、カルシウムやカリウムなどのミネラル成分が多く含まれています。
また、体が活動するためのエネルギーを作るのに重要なビタミンB1などが豊富です。白ねぎと煮込むことで、食欲のない時などは少量でビタミンB1を吸収することができます。
寒い時や元気のないときは、温かい鴨南蛮を作ってみてはいかがでしょうか。

