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お天気豆知識(2025年04月16日(水))

竹の皮は
竹の皮は

タケノコのおいしい季節がやってきました。タケノコはたくさんの皮に包まれており、その中から真っ白な身を取りだして煮物などにして春を味わいます。
タケノコがおいしいのは土から顔を出したか出さないかくらいの時で、成長して大きくなってしまうと食べるのに適さなくなります。
しかし成長した竹は、昔の人々にとって生活になくてはならないものでした。竹細工の家具や垣根、また器としても利用してきたのです。
また、タケノコが成長するときにはがれ落ちるウロコのような竹の皮も重宝されてきました。竹の皮は、雨や日差しを除ける笠や草履などに加工され、江戸文化の錦絵などの版画を擦るときに使う「バレン」としても使われてきたのです。
そして忘れてならないのは包装紙としての役目です。今ではほとんどありませんが、昭和30年代頃までは肉屋でお肉を包むときは竹の皮を使っていました。
竹の皮の内側はすべすべしているので、お肉が皮についてしまうことはありません。また、乾燥しにくく変色もしにくいため、食べ物を包むのにとても適しているのです。このように竹の皮は、天然の包装紙として利用されてきたのです。

竹の皮の特徴
竹の皮の特徴

時代劇などで竹の皮におにぎりを包んでいる光景を見ていると風情があってとてもおいしそうに見えますが、これは皮の雰囲気を楽しむためではありません。
今のようなプラスチックの容器などが無かった時代は、食べ物を包むものとして竹の皮が利用されてきました。その理由には、包みやすいことのほかに、水を通さないことがあげられます。
これは包装紙としては最も重要な性質ですね。それなのに空気は通すので、ラップに包んだおにぎりとは違い、水滴が周りにつくことはありません。
おいしいままの状態で食べ物を包み込んでくれるのです。さらには竹の皮に含まれるフラボノイド色素が菌の増殖を抑え、葉緑素が脱臭と抗菌の両方の役割を果たしてくれます。
つまり、竹の皮はただの包みではなく、抗菌、脱臭の効果を兼ね備えているため、食べ物を長時間おいしいまま包んでくれる優れものだといえます。竹の皮で包んだおにぎりはおいしそうに見えるだけでなく、本当においしいのです。

過去のお天気豆知識

野沢菜2025年12月05日(金)
冬将軍2025年12月04日(木)
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野沢菜

野沢菜

冬の保存食として昔から重宝されてきた食品に漬け物があります。漬け物の中でも野沢菜は、食卓に欠かせないものとなっています。野沢菜の発祥の地は、長野県野沢温泉村(のざわおんせんむら)です。今から約250年ほど前に天王寺蕪(かぶ)という千枚漬けにできるほど大きな蕪(かぶ)の種が伝わりました。やがて根よりも茎と葉の部分が大きいものに変化して現在の野沢菜になったと言われています。野沢温泉村では8月下旬ごろに野沢菜の種をまき、雪が降る前の11月上旬に収穫します。収穫直前には葉の長さは1メートル近くになります。収穫された野沢菜は外湯(そとゆ)という共同浴場の温泉で洗われ、この風景は晩秋の風物詩となっていて「お菜洗い(おなあらい)」と呼ばれています。こうして洗った野沢菜の葉を塩漬けにして、約3週間ほどたったものが野沢菜漬けです。深い雪の中で暮らす野沢温泉村の人々は、冬場の貴重なビタミン・ミネラル源として、野沢菜漬けをお茶うけなどとして昔から好んで食べていました。現在では、そのおいしさから全国に広まり、東海や関東、東北などでも栽培されています。

冬将軍

冬将軍

日本の上空に強い寒気が周期的に現れるようになり、寒さの厳しい季節になってきました。北から寒気が降りてくれば、時には日本海側を中心に大雪をもたらし、日本中を寒さで震え上がらせます。そんなときはよく「冬将軍」がやってきたと表現されます。「冬将軍」とは、今では単に厳しい寒さのことを呼んでいますが、もともとは、歴史に大きな影響を与えた、ある寒さのことを指していました。フランスの皇帝となったナポレオンは、1812年、61万もの大軍を率いてロシアに侵攻しました。しかし、モスクワには到着したものの、ロシア側の抵抗や食料の不足に加えて、厳しい寒さや積雪に悩まされ、結局、敗走を余儀なくされたのです。また、ナポレオン軍はフランスへの帰り道にも、路面凍結や吹雪などによって大いに苦しめられました。このロシア遠征の敗北はナポレオンの致命的な失敗となり、その後の歴史に大きな影響を与えることになりました。ナポレオンを敗走させた本当の敵は、ロシアの厳しい寒さであったことから、厳しい寒さのことを「冬将軍」と呼ぶようになったのです。

冬の季語

冬の季語

葉の落ち尽くした冬、山のたたずまいはそれまでとうって変わって寂しげです。新緑もなく、紅葉の色づきもなく、ただ枯れた木々が立ち並ぶ姿は、生き物の気配が感じられないため躍動感が全くありません。今、山々は四季の中で最も静かなシーズンを迎えているのです。こうした冬の山の様子を「山眠る」などと表現することがあります。「山眠る」は、俳句の世界では冬の季語とされていて、精彩を欠いた冬山の様子を表しています。実際は、山には越冬している虫や動物たちは隠れていますし、スキー場がある山では、むしろ冬が一年で最も騒々しい季節にあたる所もあります。しかし、本来、冬山は、春、夏と成長していた植物が気温の低下とともに生命活動を低下させ、次にくる春を、静かに待つ時期なのです。それは、あたかも私たち人間が、昼間の疲れをとって、元気に次の日を迎えるために睡眠が必要なのと同じことなのでしょう。そうした情感を見事に言い当てた言葉が「山眠る」なのです。