ひと雨一度・1
「ひと雨一度」という言葉をご存じですか。これは、秋の気温の下がり方を表した言葉で、雨がひとしきり降るたびに、気温が一度くらいの割合で低くなるという意味です。秋の気温は、おおまかに見れば冬に向かって、緩やかな下りのカーブを描くように推移します。ただ、毎日の気温の変化は天気に大きく左右され、高くなったり低くなったりの大きなジグザグ模様となります。急に気温が下がったかと思うと暑さがぶり返し、再びがくんと涼しくなるという変化をくり返しながら、冬へと季節は移ります。気温がぐんと下がるタイミングは雨の降ったあとが多いため、ひと雨ごとに秋の深まりを実感するのです。