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お天気豆知識(2025年10月10日(金))

気象潮と天文潮
気象潮と天文潮

台風の被害の中で恐ろしいもののひとつに、高潮があります。特に、南に開けた湾の西側を台風の中心が通って北上した場合には、海水がどっと陸に押し寄せて甚大な被害をもたらすことがあるのです。
高潮の最高潮位は、東京湾やその地域の主要な港での平均潮位を基準とした高さで発表され、これは「海水面が標高何メートルの高さになるか」を表したものといえます。
その海水面の高さは、天文潮(てんもんちょう)と気象潮(きしょうちょう)によって決まります。
天文潮とは、月や太陽の引力による潮の満ち干きの現象のことで、気象潮とは、風や気圧などの気象条件による海面の昇降のことをいいます。つまり気象潮は、天文潮のように、あらかじめ決まった周期変化をするものではないのです。
ふだんの潮位は天文潮によって大勢が決まっていて、これは潮位表や潮汐情報として発表されています。この規則的な変化は台風や発達した低気圧がやってくると、乱れてしまいます。場合によっては天文潮の上に気象潮が積み重なることで、高い潮位となってしまうのです。

吸い上げ効果
吸い上げ効果

気象潮は、低い気圧による「吸い上げ効果」や風による「吹き寄せ効果」によって発生します。
吸い上げ効果とは、台風などが接近して気圧が低下することで海面が持ち上げられる現象です。気圧が1ヘクトパスカル下がると海面がおよそ1センチメートル高くなるといわれています。
例えば、それまでの気圧が1000ヘクトパスカルの場所へ950ヘクトパスカルの気圧の台風がくると、海面はおよそ50センチ高くなります。
また、吹き寄せ効果は、台風などの強い風が海岸に向かって吹く場合に、海水が海岸に吹き寄せられることで海面が上昇する現象です。海面の高さは、風速の2乗に比例して高くなるので、風速が2倍になると、海面の高さは4倍になります。
また、潮位は地形の影響も受けています。海底の浅いところほど潮位は高く、直線的な海岸より湾の方が、海水が集中して海面をよりいっそう高くします。
その典型といえるのが東京湾や伊勢湾、大阪湾、有明海などです。天文潮による満潮時間に、気圧の低い発達した台風が接近し、強い風が湾の奥に向かって吹くほど、災害につながる可能性の大きい高潮が発生しやすくなるのです。

過去のお天気豆知識

縞枯れ(しまがれ)現象2025年11月13日(木)
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お天気豆知識

縞枯れ(しまがれ)現象

縞枯れ(しまがれ)現象

長野県の北八ヶ岳に、縞枯山(しまがれやま)という名の山があります。縞枯山を含む北八ヶ岳連峰の、主に南向きや西向きの斜面では、「縞枯れ(しまがれ)」という現象を見ることができます。縞枯れとは、針葉樹林帯の一部が横一列の帯状に枯れてしまい、それが山の斜面に何列も並ぶことで、白い縞模様を作り出すものです。針葉樹が枯れてできた縞模様は、少しずつ山頂部に向かって移動しています。その速さは平均すると、1年で1.7メートルほどで、大変ゆっくりしたものです。縞枯れ現象は北八ヶ岳だけではなく、関東山地、志賀高原、奥日光、南アルプス、紀伊半島の大峰山(おおみねさん)などでも小規模ながら確認されています。これらの山に登ることがあったら、ぜひその珍しい現象を見つけてみたいものですね。

返り咲き

返り咲き

日に日に寒さが増すこの時期、季節外れの花が咲いているのを見たことはありませんか。秋から冬に季節外れの花が咲くことを「返り咲き」と言います。このような現象は「不時現象(ふじげんしょう)」とも呼ばれており、気象台で発表されている平年日と著しくかけ離れた時期に起きる場合を言います。不時現象か通常の現象かの判断は、気象台などにおけるそれぞれの観測種目の最も早かった記録、または最も遅かった記録から、約1か月以上の開きがある場合を目安としています。穏やかに晴れた日にふらりと散歩に出てみれば、小春日和につられて勘違いしてしまった花たちに出会えるかもしれません。

暖房器具の特徴

暖房器具の特徴

立冬を過ぎ、暦の上では冬になりました。昼間は暖かいこともありますが、朝晩は暖房器具が活躍し始めているところもあるでしょう。暖房器具には様々な種類があり、それぞれの特徴を知っておくと、効率よく部屋を暖めることができ、快適に過ごせます。たとえば、石油ストーブは火をつけるとすぐに部屋全体が暖かくなるため、寒い朝などは重宝します。なじみ深い暖房器具ですが、灯油を燃焼させるため空気が汚れやすく、こまめに部屋の空気を換気する必要があります。つぎに、エアコンは、電気で動くため空気が汚れる心配がありません。しかし、湿度が低くなり部屋が乾燥しやすくなります。乾燥は肌のかさつきや風邪を引きやすくするため、加湿を心がけたいもためす。そして、ホットカーペットは足もとから部屋を暖め快適ですが、長時間肌が触れていると低温やけどをする恐れがあります。また、足もとという部屋の一部分しか暖めることができないため、エアコンなどと併用して使うとより効果的です。このように、それぞれの暖房器具は長所・短所を持ちあわせているため、使う場所や時期に応じて使い分けるといいでしょう。