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お天気豆知識(2025年08月12日(火))

ウミガメの産卵
ウミガメの産卵

夏の夜の浜辺で、ウミガメが懸命に産卵している光景をテレビなどで見たことのある人は、多いのではないでしょうか。
ウミガメとは、海洋に生息するカメの総称です。世界に7種類いるウミガメのうち、日本でも見ることができるのは、アカウミガメ・アオウミガメ・タイマイ・オサガメ・ヒメウミガメの5種類です。
なかでもアカウミガメは、4月から8月ごろにかけて、関東より南の太平洋沿岸や南西諸島の砂浜に産卵のため上陸します。アカウミガメは深さ約50センチほどの穴を掘った後、約1時間ほどかけて、平均120個の卵を産みます。そして産卵から約60日後、穴の中でふ化した子ガメが地上にはい出て、一生の住みかとする海へと向かいます。
ちなみに、産卵中のウミガメは、涙を流しているように見えますが、実は涙ではありません。目の上にある塩類腺(えんるいせん)から食べ物と一緒に飲み込んだ余分な塩分を排出しているのです。
8月は場所によって産卵の時期を迎えていますが、同時に卵がふ化する時期でもあります。産卵やふ化に立ち会う場合には、親ガメや子ガメを刺激せず、静かに様子を見守るようにしましょう。

アカウミガメの回遊
アカウミガメの回遊

夏の夜、関東から南の太平洋側ではアカウミガメの産卵が見られます。
砂の中に産み落とされた卵は、太陽の光と地面の熱で暖められ、約60日ほどでふ化します。ふ化したカメはおぼつかない足取りながらも、一目散に大海へ向かいますが、海に飛び込んだ子ガメはどこに向かうのでしょうか。
人工衛星による追跡調査やDNA調査などにより、アカウミガメは黒潮の流れに沿って北上したのち、北太平洋海流にのって太平洋を横断することがわかっています。そしてえさが豊富なメキシコ沖にたどり着くと、そこで成育します。その回遊距離は約1万キロにもおよびます。
さらに驚くべきことに、十分に成長したカメは、20から30年後、生まれ故郷である日本に再び戻り、産卵するのです。遠く離れた日本にたどり着くことができる理由の詳しいことはわかっていませんが、ウミガメには地磁気を感じ取る能力があり、生まれ故郷の地磁気の記憶をたどりながら回遊している、という仮説があります。
日本で見られるウミガメの産卵の光景は、生まれたばかりの記憶をもとに大海原を渡り、何十年ぶりに戻ってくるアカウミガメの姿なのですね。

過去のお天気豆知識

タラ2025年12月08日(月)
衣服の役割2025年12月07日(日)
大雪(たいせつ)2025年12月06日(土)
野沢菜2025年12月05日(金)
冬将軍2025年12月04日(木)
冬の季語2025年12月03日(水)

各地の天気

お天気豆知識

タラ

タラ

日本は四方を海に囲まれた島国で、私たちは昔から海の恩恵を豊富に受けています。とりわけ、食卓にのぼる魚たちは、その代表的な例と言えるでしょう。今が旬を迎えているものには、タラがあります。タラはその身が雪のように白く、また冬に旬を迎えることから漢字では「魚へん」に「雪」と書き、「鱈」の字をあてます。タラは鍋料理の具としても重宝され、煮込んだあとのだし汁もおいしく、「鱈ちりは後から食え」ということわざもあるほどです。また、お腹いっぱい食べることを「たらふくくう」と言いますが、この言葉には「鱈腹食う」という字を使うこともあります。これは、タラが食欲旺盛な魚で、そのお腹が大きく膨らんでいることに由来します。私たちの食文化は、言葉の文化にも通じる所があるのですね。

衣服の役割

衣服の役割

日ごとに寒さが増し、本格的な冬に近づいてきました。冬の寒さと上手につきあうためには、効率良く防寒をする工夫が大事です。寒いからといってただやみくもに重ね着をしても、風が吹くととたんに寒く感じたり、反対に服の中が蒸れて不快だったりとうまくいきません。快適で効率的な防寒をするには、肌着(インナー)、中間着(ミドラー)、外着(アウター)の役割を考える必要があります。肌着は皮膚に直接触れる衣服なので、衛生面からも汗をよく吸収し、かつ乾きやすい性質が求められます。中間着には高い保温性が必要で、空気の層をたっぷりと作ることのできるものが適しています。外着は防風性や防寒性、防水性が優れているものを選びます。周囲の寒さが体に伝わってこないような中綿でなおかつ、そで口やえり口などがしっかり詰まったものが望ましいでしょう。これらの機能がそろったものならば、最低3枚の重ね着で寒さをしのぐことができるのです。

大雪(たいせつ)

大雪(たいせつ)

12月7日は二十四節気のひとつ、大雪(たいせつ)です。11月22日の小雪(しょうせつ)からさらに寒さが深まり、日中の日差しも徐々に弱まってきます。このころから北日本や標高の高い地域はまとまった雪が降るようになり、それに合わせて続々とゲレンデもオープンしてきます。よく晴れた朝は鹿児島など南の地方でも、霜が見られるようになります。関東北部や岐阜、名古屋などでも、平年ですとこの頃から雪が降り始めます。これからは暖房が欠かせない季節ですね。