お茶箱
「お茶箱」という箱があるのをご存じでしょうか。しにせのお茶屋さんがお茶箱を配る様子は、仙台の初売りで見られ、新年の風物詩となっています。お茶箱は、以前産地から地方の問屋や小売店にお茶を出荷する際に使われ、そのままお茶の保存に使われていました。お茶の品質を保つには、温度、湿度、酸素や光が関係します。そのためお茶は、湿気や酸素による酸化から守るために気密性の高い入れ物に入れ、涼しいところにおくことが必要です。その点、お茶箱の外側は木材、内側はトタンやブリキでできています。外側の木材は、断熱効果があるスギやヒノキが使われることが多く、また、内側のトタンやブリキは空気を遮断して箱の内部の温度を一定に保ち、湿気を防ぐはたらきがあります。このように、お茶箱の中は温度や湿度の変化が小さいため、お茶の品質を保つことができる非常に優れた入れ物なのです。