黒い服はこんなに暑い
夏になると白や水色などの、淡い色の服を身につける人が多くなります。帽子や日傘も白い色の物が多く出回って、制服の夏服も、白や薄い色のシャツなどが主流になっています。夏に白い服を着る人が増えるのはなぜなのでしょうか。こんな実験をしてみました。ぬいぐるみに黒い服と白い服を着せて、真夏の暑い日に日なたにおいて、表面の温度の上がり方の違いを測定しました。実験を始めた時は、黒い服、白い服ともに表面の温度は24度でしたが、黒い服は実験開始1分後には、表面の温度は40度以上に上がっていました。30分もすると、黒い服を着せたぬいぐるみは、表面の温度が60度にまで上がりました。手をふれると「熱い」と思うくらいです。白い服でも温度は上がりますが、黒い服ほどではなく、30分後でも表面の温度は35度くらいでした。黒色は、当たった光の熱エネルギーを吸収するので、黒い服は温度が上がって表面が熱くなります。一方、白色は、当たった光の熱エネルギーを反射するので、白い服は温度があまり上がらず、涼しく感じられるというわけです。色の濃いものほど、光や熱を吸収し、光っているものや、白っぽいものほど光や熱を反射しやすいのですね。夏に白っぽい服を着る人が増えるのは、人々が経験的に、白い服の方が涼しく感じるということを知っているからのようです。