強い寒気がやってくると、北海道などでは氷点下10度や氷点下20度にまで気温が下がることがあります。
このような厳寒の地では、他では滅多に出会うことのない自然現象、「ダイヤモンドダスト」を見ることができます。
気温が氷点下になると空気中の水蒸気が凍り、氷の結晶が空気中に浮かぶことがあります。これは氷霧(こおりぎり)と呼ばれ、あたりは霧がかかったようになります。
さらに気温がマイナス25度近くに下がると、遠く1キロも先が見通せるような澄んだ状態でその結晶がキラキラと光って見えるのです。一見雪のようにも見えますが、雪ではありません。浮遊しているダイヤモンドダストを顕微鏡で見てみると、雪の結晶に成長する前の氷の結晶の形をしているのがわかります。
ダイヤモンドダストは太陽の光を反射しキラキラと輝き、その名の通り、空からダイヤモンドが舞い降りるように見えるのです。
お天気豆知識(2025年12月24日(水))


ダイヤモンドダストを見たことがある人はあまりいないのではないでしょうか。それは、ダイヤモンドダストができるには条件があるからです。
まず風がほとんどなく、よく晴れた朝であることです。これは風が強いと、ダイヤモンドダストの正体である氷の結晶ができにくく、また晴れていないと光ってみえません。
風がなくよく晴れた朝だけなら、日本全国どこでも見られそうですが、さらに気温がマイナス15度から25度以下にならないと見られないのです。
この条件を満たすことができるのは、北海道などの極寒の地域に限られるため、その他の地域ではなかなか見ることができないのです。北海道でも冷え込みやすい旭川や帯広などではしばしば見られる現象で、こちらではマイナス15度以下になると見られるといいます。
年末年始に旭川や帯広に出かける予定があるなら、美しい自然現象を見ることができるかもしれませんね。

