パパイヤは熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されている果物で、高さ約8メートルにもなる木の上に密集して実ります。日本でも亜熱帯に属する沖縄地方や小笠原地方で生産されています。よく熟れた果実はとても甘くて、南国フルーツ独特の風味と香りを持っています。
パパイヤの果実は甘いだけではなく、パパイヤならではの「パパイン」というたんぱく質分解酵素を含んでいるのが特徴です。特に成熟する前の青いパパイヤにはこのパパインが多量に含まれていて、体内でたんぱく質の消化・吸収を助ける働きをします。体力回復や肝臓障害、にも効果があると言われているほど、パパインはすぐれた酵素なのです。
日本では成熟した黄色いパパイヤをフルーツとして食べることがほとんどですが、パパイヤの産地であるベトナムやタイなどの東南アジア、そして沖縄などでは、青いままのパパイヤを野菜として利用しています。
パパイヤは、おいしさと栄養を兼ね備えた果物であり、野菜であるともいえるでしょう。
お天気豆知識(2025年08月10日(日))


常夏の太陽の恵みであるトロピカルフルーツにはいろいろなものがあり、その中にはパパイヤと同様にたんぱく質を分解する酵素を多量に含んでいるものがあります。
例えば、パイナップルやキウイなどです。パパイヤは、「パパイン」、パイナップルは「プロメライン」、そしてキウイは「アクチニジン」というたんぱく質分解酵素をそれぞれ含んでいます。
生のパイナップルやパパイヤを食べると舌がピリピリすると感じたことはありませんか。その理由はこれらの酵素が、舌の粘膜を刺激するためではないかと言われています。これらの果物と肉を一緒に調理すると、それぞれの酵素の働きによって、たんぱく質でできている肉が柔らかくなります。
さらには体の中でもたんぱく質の消化・吸収を助けてくれるすぐれた食材なのです。酢豚にパイナップルを入れたり、青いパパイヤと肉を一緒に炒める料理などは、この酵素の働きを上手に利用した調理例といえるでしょう。料理としてではなくても、食後にこれらのトロピカルフルーツをデザートとして食べても、消化を促す効果を期待できます。
夏バテなどで体がだるくなりがちな夏にこそ、消化のよいトロピカルフルーツをたくさん食べて元気に過ごしたいものですね。