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お天気豆知識(2025年04月15日(火))

フジの名所(国の天然記念物)
フジの名所(国の天然記念物)

フジの花には、国の天然記念物に指定されているものが全国に7か所あります。岩手県一戸町(いちのへまち)にある「藤島のフジ」は、樹齢数百年以上と推定され、樹根の根周り4メートルの巨木です。現在樹の中央が朽ち果て、残った三か所の樹皮に枝が下に向かって伸び、地面に付いた枝から根が出て水分などを吸い上げ生き続けています。
宮城県川崎町(かわさきまち)の「滝前不動のフジ」は、全体の根元の周囲は約4.5メートル、根元から幹が3つに分かれているのが特徴で、すぐそばを流れる渓流に小さな滝があることからこの名前がつきました。
静岡県磐田市(いわたし)の「熊野(ゆや)の長フジ」は、花の房の長さが約1.5メートルもある長フジが特徴で、数十本もの花の房が風にゆれると心を和ませる香りが広がります。
山梨県富士吉田市の「山ノ神のフジ」は、上暮地山神社(かみくれちやまじんじゃ)の境内にある老木のフジですが、長さ50センチにもなる紫色の花の房は見事です。
福岡県八女市黒木町(くろぎまち)の「黒木のフジ」は、樹齢約600年を誇る老木で、黒っぽい樹の幹はまるで大蛇のように枝をくねらせ、最長の枝の長さは70メートルもあります。また、1.2メートルほどにもなる花の房も見事です。
宮崎市の「宮崎神宮のオオシラフジ」は、宮崎神宮本殿の南東の境内の中にあるフジです。白くて大きな花をつけることからその名前が付けられ、白いフジとしては国内で最も大きい花を咲かせることで有名です。
これらのフジは国にとって学術上価値の高いものであるため、天然記念物として指定されていますが、埼玉県春日部市(かすかべし)の「牛島のフジ」と呼ばれるフジは、国の天然記念物のなかでも、特に世界的、国家的に貴重であるため、文部科学大臣により特別天然記念物に指定されています。
樹齢は1000年以上、花の房の長さは長いもので2.7メートルにもなり、その滝のような房の姿は見事です。

主なフジの種類
主なフジの種類

4月から6月にかけて色とりどりの花を咲かせるフジは、棚から下がった可憐な姿の一つ一つの花が美しく、多くの愛好家がいる花の一つです。
フジは、本州、四国、九州に自生しています。また、棚作りや鉢植えにして、庭木とされています。フジは、主な種類として「ノダフジ」と「ヤマフジ」に分けることができます。
ノダフジは花の房の長さが30から90センチで、小型の花を咲かせます。花の数が多く、つるはやや細くて右巻きに生長します。
一方、ヤマフジは、花の房の長さが20から30センチで、大型の花を咲かせます。ノダフジより花の数は少なく、つるはやや太くて左巻きに生長します。
フジを見に出かけた際には、つるの巻いている木の幹を左右の手で握ってみて、左手の親指とつるが平行になった場合には左巻きのヤマフジ、右手の親指とつるが平行になった場合には右巻きのノダフジとして確認することができます。是非ためしてみてはいかがでしょうか。

過去のお天気豆知識

冬の季語2025年12月03日(水)
ポインセチア2025年12月02日(火)
息が白く見えるのは2025年12月01日(月)
風速2025年11月30日(日)
ブラックアイス2025年11月29日(土)
体感温度2025年11月28日(金)

各地の天気

お天気豆知識

冬の季語

冬の季語

葉の落ち尽くした冬、山のたたずまいはそれまでとうって変わって寂しげです。新緑もなく、紅葉の色づきもなく、ただ枯れた木々が立ち並ぶ姿は、生き物の気配が感じられないため躍動感が全くありません。今、山々は四季の中で最も静かなシーズンを迎えているのです。こうした冬の山の様子を「山眠る」などと表現することがあります。「山眠る」は、俳句の世界では冬の季語とされていて、精彩を欠いた冬山の様子を表しています。実際は、山には越冬している虫や動物たちは隠れていますし、スキー場がある山では、むしろ冬が一年で最も騒々しい季節にあたる所もあります。しかし、本来、冬山は、春、夏と成長していた植物が気温の低下とともに生命活動を低下させ、次にくる春を、静かに待つ時期なのです。それは、あたかも私たち人間が、昼間の疲れをとって、元気に次の日を迎えるために睡眠が必要なのと同じことなのでしょう。そうした情感を見事に言い当てた言葉が「山眠る」なのです。

ポインセチア

ポインセチア

クリスマスシーズンとなる12月。この月を代表する花といえば、やはりポインセチアです。ポインセチアはメキシコ原産で、アメリカのメキシコ駐在大使だったポインセット氏がアメリカに持ち帰って、広まったものといわれています。ちょうどクリスマスのころに見頃を迎えることから英名は「クリスマスフラワー」といいます。アメリカから世界中に広まって、日本には明治中期にやってきました。ポインセチアは、一見すると大きな赤い花が咲いているようにみえますが、この赤い部分は「苞(ほう)」と呼ばれる葉の変形したものです。もともとは緑の葉ですが、冬が近づいて日照時間が短くなると自然に赤く染まるのです。なお、あまり目立ちませんが、中心部分に集まった黄色い部分が花にあたります。ポインセチアはクリスマスを飾る花として昔から親しまれてきましたが、その理由はなんといってもクリスマスカラーの赤と緑のコントラストが印象的だからでしょう。クリスマスの雰囲気づくりにはクリスマスツリーやクリスマスソングだけでなく、ぜひポインセチアもお試し下さい。

息が白く見えるのは

息が白く見えるのは

冬の朝、家を出ると自分の吐く息が白くなることに気づきます。息が白くなるのは気温が低いときですが、これは口の中の温度と外の気温の差が大きいためにおこります。人の口の中の温度は、体温とだいたい同じくらいで約36度です。口の中の暖かい空気が外に出ると、暖かい空気中に含まれる水蒸気は急に冷やされ水滴にかわります。普段、水蒸気は目に見えませんが、水滴になると白く見えるようになるのです。吐く息が白く見えはじめる温度は、外の気温が約13度以下になってからが目安と言われています。ただし、口の中の湿度はもともと高いので、13度より少し高めの温度でもうっすら白く見えることもあるようです。温度は全然違いますが、他にも白く見えるものに、沸騰したやかんからでる湯気やお風呂の湯気、また、冷え込んだ朝に川や湖の水面から立ちのぼる霧などがあります。これらも、息が白くなるのと同じ現象でおこっているのです。