御神渡り(おみわたり)・1
1年で最も寒さが厳しいこの時期、凍りついた湖にジグザグと氷の盛り上がった道ができることがあります。これは御神渡り(おみわたり)と呼ばれる現象で、この現象が見られる所としては長野県の諏訪湖が有名です。諏訪湖の御神渡りの記録は、1443年から実に5世紀以上も残っています。なぜ、これほどにも昔から一つの自然現象の記録が残されていたのでしょうか。それは、御神渡りは神様が渡った跡とされ、古くから占いに使われてきたためなのです。諏訪湖畔には諏訪大社(すわたいしゃ)があり、湖の南側の「上社(かみしゃ)」と北側の「下社(しもしゃ)」の二つでできています。諏訪地方に伝えられている神話によると、「上社(かみしゃ)」に住む男の神様が、凍った湖の上を渡って「下社(しもしゃ)」に住む女の神様に会いに行きました。このとき歩いた跡が凍りついた湖面を南から北に走り、「御神渡り」と呼ばれるようになったのです。いまでも御神渡りができて、湖に張った氷の上に乗っても安全な状態になると、諏訪市の八劔(やつるぎ)神社では「御渡り拝観式」が行われます。そこでは、方向や長さ、高さなどの御神渡りの出来ぐあいによってその年の吉兆が占われるのです。



