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年越しそば

年越しそば

一年の締めくくりに年越しそばを食べる人は多いのではないでしょうか。年越しそばは、別名「みそかそば」や「つごもりそば」、「大年(おおとし)そば」「除夜そば」などとも呼ばれて、江戸時代の中期には大みそかにそばを食べる習慣が定着したと言われています。大みそかはハレの日であるため、年越しそばは「ハレ」の食事とされてきました。なお、年越しに食べるそばは、かけそばでもざるそばでも構いませんが、年を越してから食べたり、旧年から新年に変わるタイミングで食べるのではなく、年内に食べ終わるのが正しいようです。

お屠蘇(おとそ)

お屠蘇(おとそ)

お屠蘇とは漢方薬の一種である「屠蘇散(とそさん)」を酒やみりんに浸したもので、屠蘇散はサンショウ、ボウフウ、ビャクジュツ、キキョウなど数種の薬草が調合されています。また、酒やみりんにはぶどう糖、必須アミノ酸、ビタミン類が含まれて、アルコールには血行を促進させる働きがあります。お屠蘇には胃腸の働きを盛んにし、風邪を予防するための効果があるので、寒さが厳しく、お酒の量も多くなる年始の時期にお屠蘇を頂くことはまさに先人の知恵と言えるでしょう。正月にお屠蘇を飲む風習は、平安時代に中国から日本に伝わり、嵯峨(さが)天皇の時代に宮中の正月行事として始められたあと江戸時代に一般市民へと広まりました。お屠蘇の「屠」は「邪気を払う」、「蘇」は「魂を目覚め蘇らせる」という意味があるといわれています。年のはじめにお屠蘇を飲むという風習には、無病息災を祈り、心身ともに改まろうという願いが込められているのです。

凍上(とうじょう)

凍上(とうじょう)

冬になると北日本の太平洋側などのように厳しい寒さが続く地域では、大地が凍ることがあります。凍った土は凍土といい、スコップの先も跳ね返すほど固くなります。また、地面の凍結に伴い地面付近が盛り上がってくる現象を「凍上(とうじょう)」といいます。凍上が起こると、道路、線路などの地上施設だけではなく、水道管、ガス管、通信ケーブルのような地下の埋設物に被害が生じることがあります。凍上が起きた地面を掘り起こしてみると、地面と並行に氷の層が形成されていることがわかります。この氷の層はレンズ状の形をしていることからアイスレンズと呼ばれていて、地面を持ち上げる原因になっています。ときには家などの建物を持ち上げることさえあるのです。凍上によって大地が押し上げられる力は1平方センチあたり1キログラムから2キログラムになります。1平方メートルに換算すると、なんと10トンから20トンもの力になります。北の大地は雪だけではなく、大地の凍上にも悩まされることがあるのです。